文書提出命令に対する抗告事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和5(ラ)1152
判決日2024-01-22
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は、国家賠償法上、
①検察官による起訴が違法か、②検察官による逮捕、勾留が違法か、③検察官
の原審申立人に対する取調べが違法かという点であるとし、争点①及び②との
関連では、共犯者とされたC(C)及びD(D)の検察官による取調べにおけ
る供述の信用性の評価が、争点③との関連では、検察官の原審申立人に対する
取調べが原審申立人の黙秘権及び弁護人依頼権等を侵害するものであるか、不
当な利益誘導であるかという点が、それぞれ争われていると整理している。
2 本件申立て及び原審の判断等
⑴ 原審申立人は、検察官のC、D及び原審申立人に対する取調べの具体的状
況及び内容を証明するために必要であるとして、原審相手方に対し、民訴法
231条により準用される同法220条1号、2号又は3号後段に基づき、
本件横領事件に関する①Cに対する令和元年12月5日~同月24日の取調
べの録音録画に係る動画ファイルを記録した記録媒体(C録音録画)、②Dに
対する同月5日~同月25日の取調べの録音録画に係る動画ファイルを記録
した記録媒体(D録音録画)及び③原審申立人に対する同月16日~同月2
5日の取調べの録音録画に係る動画ファイルを記録した記録媒体(申立人録
音録画)の各準文書につき、提出命令の申立て(本件申立て)をした。なお、
C録音録画、D録音録画及び申立人録音録画が存在し、これを原審相手方が
所持していることについては、当事者間に争いがない。
⑵ 原審は、概要、次のとおり判断して、原審相手方に対してC録音録画の一
部の提出を命じ、その余の本件申立てを却下した(原決定)。
ア C録音録画のうち、㋐令和元年12月6日午後7時17分~午後11時
2分の部分を記録した記録媒体(以下「C録音録画㋐」という。)、㋑同月
7日午後5時20分~午後9時25分の部分を記録した記録媒体(以下「C
録音録画 」という。)、㋒同月8日午後5時20分~午後8時24分の部
分を記録した記録媒体(以下「C録音録画 」という。)、㋓同月9日午後
5時17分~午後8時21分の部分を記録した記録媒体(以下「C録音録
画 」という。)、㋔同月12日午後6時4分~午後9時52分の部分を記
録した記録媒体(以下「C録音録画 」という。)については、証拠として
取り調べる必要性が認められる。これに対し、C録音録画のその余の部分、
D録音録画及び申立人録音録画については、証拠として取り調べる必要性
があるとは認められない。
イ C録音録画㋐~㋔は、いずれも民訴法220条3号後段所定のいわゆる
法律関係文書に該当する。
このうち、原審申立人を被告人とする本件横領事件の刑事公判(以下「本
件公判」という。)に提出された部分(C録音録画 のうち、令和元年12
月9日午後5時39分47秒~午後6時27分58秒の部分を記録した記
録

主文(判決文より)

1 原決定主文第1項を次のとおり変更する。
⑴ 抗告人は、本決定確定の日から2か月以内に、令和元年12月9日におけ
る検察官のCに対する取調べにおいてCの供述及びその状況を録音及び録画
を同時に行う方法により記録した記録媒体のうち、同日午後5時39分47
秒から午後6時27分58秒までの部分を記録した記録媒体を、原審裁判所
に提出せよ。
⑵ 相手方のその余の申立てをいずれも却下する。
2 抗告費用はこれを2分し、その1を抗告人の負担とし、その余を相手方の負
担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。