事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ネ)619 |
| 判決日 | 2025-01-20 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条、民法715条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点となっている。 原審は、Aには年齢相応の学力や思考力を身に付けていく蓋然性があり、 将来様々な就労可能性があったといえるとする一方、Aには感音性難聴があ り、聴力障害によって就労の上で他者とのコミュニケーションが制限され、 聴力障害が労働能力を制限し得る事実であること自体は否定することができ ないとした上で、平成30年度障害者雇用実態調査における聴覚障害者の平 均収入(以下「平成30年の聴覚障害者平均収入」という。)等を参照し、 - 3 - Aの死亡時において、聴覚障害者の収入が全労働者の平均賃金と同程度であ ったとはいえず、聴覚障害者が必要かつ合理的な配慮を得られれば、障害の ない者と同程度の収入を得ることができるとも直ちに認めることはできない が、他方、Aが将来就労したであろう時期においては、障害者法制の整備を 前提とする就労機会等の拡大やテクノロジーの発達によるコミュニケーショ ン手段の充実により聴力障害が就労に及ぼす影響が小さくなり、聴覚障害者 の平均収入は増加すると予測できるとともに、Aも、将来において自ら様々 な手段や技術を利用して聴力障害によるコミュニケーションへの影響を小さ くすることができるといえるなどとし、これらの事情を総合すると、Aの基 礎収入は、賃金センサス平成30年第1巻第1表・企業規模計・男女計・学 歴計・全年齢の年収額(以下「平成30年の全労働者平均賃金」という。) の85%とするのが相当であると判断した。 2 前提事実並びに争点及び争点に関する当事者の主張は、後記3のとおり当審 における控訴人らの補充的主張を加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中 「第2 事案の概要」の2、3に記載のとおりであるから、これを引用する。 3 当審における控訴人らの補充的主張とこれに対する被控訴人らの主張 (控訴人らの主張) ⑴ 逸失利益について ア 労働能力の制限について (ア)Aの聴覚の状態像 聴覚とは、末梢系(音の情報を伝達する生理学的な機能)と中枢系 (伝達された音の情報を分析し、言語あるいは音楽として理解する心理 学的な機能)の2つを併せたシステムである。したがって、聴覚に障害 があったとしても、末梢系で音声情報を伝達する手段に代わるものと、 中枢系で学習した言語知識がありさえすれば、聴覚に障害がない者と同 等にコミュニケーションをすることができる。 - 4 - 末梢系は、伝音系(音を振動で内耳まで伝える器官)と感音系(内耳 に伝わった音を電気信号に変換して脳へ送る器官)の2つで構成されて いるところ、Aの病名は「両側感音難聴」であり、末梢系のうち感音系 の方に生理学的な機能障害があるのに対し、中枢系の心理学的機能には 障害はない。F聴覚支援学校で行われた補聴器装用時のAの聴力検査の 結果(補聴器装用閾値)は、平成29年度で右耳25
主文(判決文より)
1 原判決中控訴人B及び控訴人Cに係る部分を次のとおり変更する。 ⑴ 被控訴人らは、控訴人Bに対し、連帯して、2127万8101円及 びうち1734万8101円に対する平成30年7月28日から、う ち393万円に対する平成30年2月1日から各支払済みまで年5分 の割合による金員を支払え。 ⑵ 被控訴人らは、控訴人Cに対し、連帯して、2127万8101円及 びうち1734万8101円に対する平成30年7月28日から、うち 393万円に対する平成30年2月1日から各支払済みまで年5分の割 合による金員を支払え。 ⑶ 控訴人B及び控訴人Cのその余の請求をいずれも棄却する。 ⑷ 控訴人B及び控訴人Cと被控訴人らとの間に係る訴訟費用は、第1、 2審を通じてこれを4分し、その1を控訴人B及び控訴人Cの負担とし、 その余は被控訴人らの負担とする。 ⑸ この判決の本項⑴⑵は、仮に執行することができる。 2 控訴人Dの控訴を棄却する。 3 控訴人Dに係る控訴費用は控訴人Dの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。