嘱託殺人、有印公文書偽造

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和6(う)115
判決日2025-03-13
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点との関係でAの供述は重要な証拠の一つであり、被告人に
対する手続保障の観点も併せ考慮すれば、証拠調べの必要性もあると思料されたた
め、Aの被告人質問調書及びその証人尋問を採用して取り調べた。
(4)判断
原審記録を調査し、当審における事実取調べの結果を踏まえると、原判決の認定
説示中、明示の謀議を認定したと解される部分には一部維持できない点が生じるも
のの、最終的にAと被告人との間に事前共謀の成立を認めた結論は正当で、結局、
判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認はないことに帰する。
当審において証人として出廷したAは、被告人に京都の被害者方への同行を依頼
した目的は、主にヘルパーに犯行を気付かれないようにするためで、被害者方へ行
くに先立ち、被害者を殺害することや上記の目的を被告人に具体的には言わなかっ
たものの、被告人なりに事情を察していた旨を述べ、その根拠として、被害者のブ
ログの記載等から同人が死を切望していることを被告人も知る機会があったこと、
被害者方への同行を求めた際、被告人の方から被害者とのやりとりに使ったパソコ
ンに細工をすればよい、当日はサポートすればよいのかなどと発言していたこと、
被害者方に入る直前には防犯カメラの位置などを被告人が自主的に確認していたこ
と、被害者方の室内では、ヘルパーが室内に入ろうとした際に被告人が立ちふさが
る行為が2回ほどあったこと、帰途にも、救急車が来ない、などと被害者の容体の
急変を前提とした発言をしていたことなどを挙げた。Aは、自身の裁判の被告人質
問では、被告人は殺害行為に気付いていたと思った旨を述べつつ、その根拠となる
被告人の言動のいくつかについて供述していなかったことがうかがえるが、その点
については、自分の弁護人からは被告人の発言について質問されなかったために答
えていなかった旨を説明していて、その説明に特段の不自然さはない。してみると、
Aの当審供述の信用性を大きく揺るがすほどの変遷があるとは解されない。その上
で、原判決が説示する被告人とAの従前の関係や、被告人が被害者から130万円
という高額の金員を受け取りながら、その趣旨をAに問い合わせた形跡はなく、わ
ざわざ日程調整をしてまでAの求めに応じて被害者方へ同行したこと、被害者方で
は、Aとともにヘルパーに偽名を名乗っていること、Aが被告人に隠すことなく被
害者の殺害行為に及んでいることなども併せると、被告人は、Aから明示の説明を
受けるまでもなく、被害者殺害を計画していることを認識し、それに協力する趣旨
で被害者方への同行を承知し、Aも、その反応から被告人が殺害計画を理解してい
ることを察し、暗黙裡の意思連絡の下で被害者方に赴いたと解される。また、Aに
とって、計画を理解して協力してくれる被告人の同行は、ヘルパーが室内に入るな
ど

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。