事件の基本情報
| 裁判所 | 広島高等裁判所 岡山支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和62(ネ)95 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
主文(判決文より)
一 原判決中、控訴人らの戒告処分無効確認請求を却下した部分(主文第一項)に 対する本件控訴を棄却する。 二 原判決中、控訴人らのその余の請求を棄却した部分(主文第二項)を次のとお り変更する。 被控訴人は、控訴人らに対しそれぞれ金二〇万円及び内金一〇万円に対する昭和六 〇年六月一日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。 被控訴人は、本判決確定後一四日以内に別紙(二)記載の内容、条件の文書を、掲 示の日から七日間にわたり、下津井電鉄株式会社岡山、児島、興除各営業所、同下 津井駅、同幸町駐車場の被控訴人の掲示板に掲示せよ。 控訴人らの被控訴人に対するその余の請求を棄却する。 三 訴訟費用は、第一、二審を通じてこれを五分し、その一を被控訴人の、その余 を控訴人らの各負担とする。 事 実 控訴人ら代理人は、「原判決を取り消す。被控訴人が昭和五七年四月三〇日付で控 訴人らに対してした戒告処分は無効であることを確認する。被控訴人は、控訴人ら に対し、それぞれ本判決確定の日から七日以内に別紙(一)記載の内容、条件の謝 罪文を交付し、かつ、同確定の日の翌日から一四日以内に別紙(二)記載の内容、 条件の謝罪文を七日間にわたり被控訴人の掲示板に掲示せよ。当審における拡張的 請求として、被控訴人は、控訴人らに対し各金一二〇万円及び各内金一〇〇万円に 対する昭和六〇年四月三〇日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払 え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴 代理人は「本件各控訴及び控訴人らの当審における拡張的請求を棄却する。当審に おける訴訟費用は控訴人らの負担とする。」との判決を求めた。 当事者双方の事実上の主張は、次のとおり付加するほか、原判決事実摘示のとお りであり、証拠の関係は、本件記録中の第一、二審書証目録及び証人等目録記載の とおりであるから、これらを引用する。 (控訴人らの当審における主張) 一 本件戒告処分の当否が司法審査の対象となること及び確認の利益について 1 労働組合がその組合員に対してなす統制処分については、組合員としての権利 義務ないし地位も法律上の権利義務ないし地位であつて、それらについての紛争も 法律上の争訟というべきであるから、右処分によつてその権利義務ないし地位に変 動が生じた場合には、処分の当否は司法審査の対象となるべきものである。 本件につきこれをみるに、被控訴人の組合規約では、制裁の種別は「戒告、権利 停止、除名」と定められているが、その具体的な内容及び手続は明確でなく、すべ て委員会の決議によつて行うとされているところ、控訴人らが受けた本件戒告処分 は、控訴人らに対し誓約書の提出を義務づけており、さらに、本件戒告処分に関し て今後一切の不服を申し立てないとの制約も課せられていた。したがつて、本件戒 告処分により控訴人らは現に右誓約書提出義務を負わされており、また、組合規約 六四条で認められている、制裁処分に対し大会に提訴する権利の行使を妨げられて いるものである。本訴において右処分の無効が確認されることによつて、控訴人ら は誓約書の提出義務を免れ、また、組合大会に提訴し自らの正当性を主張する権利 を回復することになるから、本件無効確認請求は、現在の控訴人らの権利義務に影 響を及ぼすものとして、訴えの利益があるというべきである。 2 次に、本件戒告処分の当否は、本件損害賠償請求の要件事実(不法行為)とし ても当然に司法審査の対象になるべきものである。 すなわち、不法行為に基づく損害賠償は、過去において違法行為があつたことが 認定されれば十分であり、現在の権利関係に影響を及ぼすか否かを問わないからで ある。 控訴人らは、本件戒告処分の通告を受けたうえに詫状までも書かされ、これらの 事実を公表されたことにより名誉を侵害され精神的苦痛を被つたことを請求原因事 実として主張しており、本件戒告処分が違法、無効であれば不法行為が認定される 関係になる。したがつて、控訴人らは、右損害賠償請求の前提として当然に本件戒 告処分の効力も司法審査の対象として争い得るものである。 二 本件戒告処分が無効であることについて 1 労働組合は、組合員の経済的社会的地位の向上をめざす団体であつて、その団 結を確保するため、憲法上認められた団結権に伴うものとして組合員に対して統制 権を有するが、その権能は右の目的の範囲内で、かつ、合理的な限度で認められる ものであり、その濫用は許されないところである。 本件につきこれをみるに、控訴人らが行使した労働基準法(以下「労基法」とい う。)上の申告権(同法一〇四条)は、最大限保障されるべきものであり、労働者 がこれを行使したことによりいかなる不利益も受けてはならないものである。同条 二項は、使用者について、右申告権の行使を
出典
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