強要未遂

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和5(う)850
判決日2025-04-17
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点と整理された。
原判決は、原判示の限度で被告人両名の共謀による強要未遂罪の成立を認め、被
告人Aを懲役1年(3 年間刑執行猶予)に、被告人Bを懲役8月(3 年間刑執行猶予)
にそれぞれ処した。
3 被告人両名は、控訴を申し立て、事実誤認及び法令適用の誤りを主張した。
控訴審(大阪高等裁判所第6刑事部)は、H社には、平成29年11月28日より
後の期間を含め、Kの就労証明書を作成等すべき、少なくとも社会生活上の義務が
あるとし、同月27日Lが体調不良を呈した以降の被告人両名の訪問・要求行為等
につき、一部を除いて強要未遂罪の構成要件に該当するとした原判決の認定・判断
は、同罪の解釈適用を誤り、事実を誤認したものと認め、被告人両名について原判
決を破棄した上、同年12月4日にFがLに怒号したことに関し、被告人Aに脅迫
罪の共同正犯を認定して、被告人Aを罰金30万円に処し、被告人Bを無罪とする
判決を言い渡した(令和3年12月13日宣告)。
これに対し、被告人A及び検察官がそれぞれ上告を申し立てた。
上告審(最高裁判所第一小法廷)は、H社は、日雇運転手として雇用していたK
に対し、労働契約に付随する義務として、その子の保育所の継続利用のためにKが
木津川市に提出する就労証明書を作成等すべき信義則上の義務を負っていたと認め
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られ、同人作成の申立書が担当課に受け付けられた平成29年11月28日以降も、
同社が引き続き前記義務を負っていたことに変わりはないとし、前記控訴審判決の
説示が、その義務はないと認定した第1審判決が事実を誤認した旨をいうものと解
すれば、同義務に関する同判決の事実認定の不合理性を指摘したものとして、その
限度では是認することができるとした。
そして、上告審は、人に義務の履行を求める場合であっても、その手段として脅
迫が用いられ、その脅迫が社会通念上受忍すべき限度を超える場合には、強要罪が
成立し得るというべきであるから、前記控訴審判決が就労証明書を作成等すべきH
社の義務の有無について、第1審判決が事実を誤認したことを指摘しただけで、同
判決が前提とするその余の事実関係の認定が不合理であるかどうかを検討しないま
ま、同判決に、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした前記控訴
審判決は、第1審判決の事実認定が論理則経験則等に照らして不合理であると十分
に示したものと評価することができないとして、これを破棄し、本件を大阪高等裁
判所に差し戻す旨の判決を言い渡した(令和 5年9月11日宣告)。
4 当審は、前記上告審判決による差戻し後の控訴審である。
第2 原判決の判断概要
1 原判決は、「犯行に至る経緯等」として認定した事実に補足した上、脅迫行為の存
否、被告人らによる義務なきことの要求の有無、共謀の有無及び正当行為性につ

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人Aを懲役6月に処する。
被告人Aに対し、原審における未決勾留日数中60日をその刑に算入
する。
被告人Aに対し、この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予す
る。
被告人Bは無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。