事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(う)410 |
| 判決日 | 2025-09-25 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法203条、憲法19条、憲法29条1項、憲法43条1項 |
この事件の代理人
- 籔根壮一(不明)
争点(判決文より)
争点は、概要、爆発物の製造、使用及び所持に関する身体加害目的と殺意の有無、選 挙運動としての街頭演説会が行われていた認識の有無と整理された(原審第 4回公判 期日において、被告人は公職選挙法違反の事実を認める旨を述べ、原審弁護人も争わ ない旨陳述したため、同法違反に係る争点はなくなった。)。 原判決は、爆発物の製造等に係る身体加害目的及び未必的殺意を認め、原判示のと おり各事実を認定して、被告人を懲役10年に処した(付加刑として証拠物の没収。 求刑・懲役 15 年及び没収)。 2 法令適用の誤りの控訴趣意について 論旨は、原判決が「法令の適用」欄で適用した各罰条を定める法令及び条項につき、 ①火薬類取締法、爆発物取締罰則及び銃砲刀剣類所持等取締法は、いずれも火薬類、 爆発物及び銃砲刀剣類の製造、所持、使用を制限することによって私人の所有権を侵 害するものであり、憲法29条 1項に反する、②公職選挙法は、被選挙権を一定の年 齢に達した者にしか認めていないが、これは議院の構成及び議員の資格に関する憲法 43条1項、44条ただし書に反する、③殺人未遂の成否を検討するには、裁判所が 被告人の殺意の有無を審理することになるが、これは被告人の思想・信条の自由を詮 索、侵害することにつながるから、刑法203条(199 条)は憲法19条に違反する とし、いずれも違憲無効であるから、原判示の各行為は犯罪に当たらないのに、無効 な罰条を適用して被告人を有罪とした原判決には、法令適用の誤りがある旨主張する。 しかし、火薬類取締法、爆発物取締罰則及び銃砲刀剣類所持等取締法は、火薬類、 爆発物、銃砲刀剣類がそれぞれ有する危険性に鑑み、これらの製造、所持、使用等を 規制することにより国民の生命・身体・財産や公共の安全等を保護するなどの目的に よって制定されたものであり、各法令の規定に照らしても憲法29条1項に違反しな い。また、被選挙権年齢を定めた公職選挙法10条1項の合憲性は、原判決が原判示 第2の行為中、選挙の自由妨害の点につき適用した同法225条1号・2号の合憲性 と関係がなく、殺人(未遂)における殺意の有無は、行為者の事実認識に関する事柄 - 2 - であり、その者の思想・信条を詮索するわけではないから、憲法違反の主張はいずれ も前提を欠く。所論は独自の見解であり、採用し難く、論旨は理由がない。 3 事実誤認の控訴趣意について ⑴ 論旨は、要するに、被告人には、爆発物の製造等に関して身体加害目的はなく、 殺意もなかったのに、これらを認め、原判示第1の2、3の爆発物製造、同第2の 爆発物使用及び殺人未遂並びに同第3の1の爆発物所持の各事実を認定した原判決 には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があると主張する。 ⑵ 原判決は、本件爆発物の構造と爆発機序(鋼管製パイプニップ
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中150日を原判決の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。