退去強制令書発付処分取消等請求、訴えの追加的併合控訴事件

事件の基本情報

裁判所東京高等裁判所
事件番号令和1(行コ)274
判決日2020-03-26
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点になっているのは,被控訴
人の上陸申請に係る本邦において行おうとする活動が「本邦に短期間滞在
して行う観光・・・その他これらに類似する活動」に該当するか否かであ
る。そして,我が国を代表する国語辞典である広辞苑においても,上記に
例示された活動のうち,「観光」とは「他の土地を視察すること。また,そ
の風光などを見物すること。」を意味するとされており,その外延はかな
り明確であって概括的なものではなく,その適合性を判断する特別審理官
に広範な裁量権を付与したものであるとはいい難い。
ウ 上記で検討したところを前提として,控訴人が,被控訴人に「観光」の
意義を逸脱する活動に及ぶおそれがあると認めるべき根拠として主張する
事情について検討する。
控訴人は,改めて被控訴人が反捕鯨団体のシー・シェパードと関係を
有していると主張する。
しかしながら,控訴人が当審において新たに提出した証拠(乙104)
によっても,被控訴人がロンドンで開催された反イルカ漁デモにおいて,
シー・シェパードの英国のリーダーらとともにメインスピーカーとして
演説したことが認められるにすぎず,これによって被控訴人がシー・シ
ェパードと何らかの強い関係を有し,本邦において「観光」を超えた活
動をするおそれがあると認めることはできない。
控訴人は,被控訴人が過去の来日時に入国目的を偽っていた可能性が
あると主張する。
しかしながら,証拠(乙82ないし84,98)によれば,平成18
年から平成19年にかけて,被控訴人が観光目的で来日した際に,商用
目的で来日した映画「A」の監督であるB監督と日本での滞在時期が一
部重なっていることが認められるものの,被控訴人がこの平成18年か
ら平成19年の我が国の滞在期間中に「観光」という入国目的を逸脱す
る行動を取っていたことを示す証拠はない。また,証拠(乙82)によ
れば,被控訴人が映画「A」のアドバイザーとして被控訴人の氏名が挙
げられていることが認められるが,これによって被控訴人が過去の来日
時に入国目的を偽っていたと認めることはできず,他に被控訴人が過去
の来日時に入国目的を偽っていたことを示す証拠は見出せない。したが
って,この点から被控訴人が今回の在留中において「観光」の意義を逸
脱する活動に及ぶおそれがあると認めることはできない。
控訴人は,被控訴人の反イルカ漁活動が我が国の政策を否定し,非難
するものであって,その態様も不穏当で著しく適切さを欠くものであり,
α町の産業や地元住民の安寧平穏な生活を脅かすものであったと主張す
る。
しかしながら,まず,被控訴人が我が国のイルカ漁についての政策に
反する考え方を有しているからといって,被控訴人の活動が直ちに「観
光」に該当しないことにならないことはいうまでもないし,被控訴人が
そのような考え方を有し

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。