事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(行コ)267 |
| 判決日 | 2020-07-10 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 商法159条2項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (被控訴人は本件各対象取引をした者であるか)について 金商法159条2項が,相場操縦違反行為等の行為をすることを何人に対 しても禁止しており,法人であっても同法174条の2第1項の「違反者」 たり得ると解される。 そして,ある法人の役員又は従業員が当該法人のためにした行為は,同項 との関係では当該法人の「違反行為」となり,当該法人が同項の「違反者」 となるというべきであるが,これにとどまらず,当該法人の役員もしくは従 業員と実質的に同視し得る者又は形式的には別個の法人ではあるが実質的に は当該法人と実質的に同一体というべき法人の役員もしくは従業員が,当該 法人のためにした行為も,同項との関係では当該法人の「違反行為」となり, 当該法人が同項の「違反者」となるというべきである。 なぜならば,このように解さなければ,当該法人が形式的に自らの役員も しくは従業員ではない者に自らの取引行為を委ねさえすれば,又は当該法人 が形式的に別個の法人に自らの取引行為を委ねさえすれば,取引行為を委ね られた者又は委ねられた法人の役員もしくは従業員が同法174条の2第1 項所定の違反行為をしても,当該法人は同項による課徴金の制裁を免れるこ ととなり,同項の目的は達せられなくなる一方で,このように解しても,当 該法人の正当な利益を害することはないからである。 上記と異なる被控訴人の主張は採用しない。 本件各対象取引は被控訴人名義の証券口座を利用したものであるが,実際 に売買等を行っていたのは被控訴人とは別法人であるAである。そこで,上 記述べたところを前提として,被控訴人とAとの関係について検討する。 前記のとおり,被控訴人とAは,いずれもその全株式をEが保有する姉妹 会社である。そして,被控訴人代表者は,Aの唯一の取締役であり,かつ, Eの唯一の受益者である。また,被控訴人はC及びDの全株式を保有してお り,被控訴人代表者は,Cの唯一の取締役である。E,被控訴人,A,C及 びDは,Bを形成している。 また,前記のとおり,被控訴人は自ら有価証券の売買等を行うトレーダー を雇用せず,有価証券市場での取引による資金運用についてはAとの間で本 件トレーダー業務契約を締結してAが雇用するトレーダーらに全面的に委ね ているところ,Aを設立してこのような形態を採用した理由について,被控 訴人代表者は,原審における被控訴人代表者本人尋問において,①被控訴人 自らが,その取引に必要な市場データの入手に関する金融商品取引所との契 約当事者となった場合,その取引所との間で紛争が生じると,被控訴人の資 金が紛争の解決金等に引き当てられるリスクがあるため,これを回避しよう とした,②トレーダーを管理するオーナー兼マネージャーに支払われる月額 手数料の計算方法にネッティング(損失控除)を採用する際に,
主文(判決文より)
1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は第1,2審を通じて被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。