事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(う)1922 |
| 判決日 | 2020-09-08 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 請求証人(被告代理人)
争点(判決文より)
争点の一つとして設定し,第4回公判 (同年9月6日)にその証人尋問を実施した。 3 以上によれば,保護責任者としての作為可能性及び責任能力を含めた 公訴事実を争わずAの心理的DVにより被告人が強い心理的支配を受けてい たことが被告人に対する非難可能性を減少させるものであるとの原審弁護人 の一貫した応訴態度を前提に,原審裁判所は,被告人の本件当時の心理状態 及びこれを踏まえた被告人に対する非難可能性の程度については,Aと被告 人との関係性を含めた本件に至る経緯が明らかにされることにより,精神鑑 定に基づく専門的な知見を得ることなく,裁判官及び裁判員が一般的知識, 経験に基づいて十分判断することができ,かつ判断すべきものであるとして, 上記精神鑑定請求を却下したと解されるのであり,この判断に裁量の逸脱は ない。 そして,被告人の本件当時の心理状態及びこれを踏まえた被告人に対する 非難可能性の程度を公判に現れた事実を基に判断するとの前提に立つ以上, その判断に資する参考意見を聴取するために採用・実施したB医師の証人尋 問において,裁判官及び裁判員が判断の基礎とする事実の範囲内で証言を得 るのは当然の前提であり,その範囲を超えた事実を基に証言がされることの ないようB医師の証言範囲を制限した原審裁判所の措置に何ら違法不当な点 は見当たらない。 - 3 - 弁護人は,Aから長期間かつ過酷・執拗な心理的DVが繰り返された本件 において,被告人の強固な心理的支配の程度を明らかにするためには専門家 の知見が不可欠であるなどと主張するが,上記のように,この問題は責任能 力に関するものではなく,刑の量定に当たり事実関係を踏まえて法的に評価 される非難可能性の程度を判断することに関するものであるから,専門家の 知見を不可欠とするものではない。 訴訟手続の法令違反の主張は理由がない。
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中280日を原判決の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。