傷害致死

事件の基本情報

裁判所宇都宮地方裁判所 刑事部
事件番号令和5(わ)358
判決日2026-03-10
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法336条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、被告人が公訴事実記載の犯行(本件犯行)に及んだかであり、
判断の主たるポイントは、本児の死因が延髄損傷を含むびまん性脳損傷であると
認められるかである。
検察官は、F医師及びH医師らの見解に依拠して、本児の死因が(外因性の)
延髄損傷を含むびまん性脳損傷であると主張し、これを前提に、この傷害が故意
の暴行によって生じたと考えられることや、この傷害が生じたであろう時間帯に
本児と一緒にいたのが被告人のみであること等を指摘して、被告人が本件犯行に
及んだと主張する。
これに対し、弁護人は、I大学(学科名省略)統括主任教授であるJ医師やK
大学(学科名省略)主任教授等を歴任したL医師の見解に依拠して、本児の死因
は延髄損傷を含むびまん性脳損傷ではない、本児は、てんかんのけいれん発作に
よる無呼吸等によって死亡した可能性があるとして、被告人は本件犯行に及んで
いないと主張する。
⑶ 当裁判所の結論の要旨
当裁判所は、検察官が請求したF医師とH医師、弁護人が請求したJ医師とL
医師のほか、検察官が請求したM医師(N大学大学院(学科名省略)教授。本児
の死後に撮影されたCTを読影)、O医師(P医療センター(診療科名省略)教
授等を歴任)、D医師(前記⑴)の7名の医師の証人尋問を、合計4日間に渡っ
て行った。しかし、それでも、本児の死因が延髄損傷を含むびまん性脳損傷であ
ることが常識に照らして間違いないとはいえず、相当の疑いが残るとの判断に至
った。
以下、その理由を説明する。
3 F医師、H医師、O医師の見解について
⑴ F医師は、本児の司法解剖において、本児の大脳の一部の切片1枚(具体的
な部位は不明)を作成して観察したところ、脳の組織内に亀裂が入り、亀裂部分
が出血して赤くなっているのを確認したとする。
H医師は、本児の脳の病理検査において、大脳の切片26枚のうち脳梁部を含
めた12枚と延髄の切片1枚に、赤血球が血管外に出て出血しているのを認めた
(ただし、延髄の出血箇所は1か所であった。)とする。
これを前提に、F医師、H医師、O医師は、本児の死因について、それぞれ以
下のような見解を述べる。
⑵ F医師の見解の要旨
本児には、延髄に出血があった。延髄が呼吸中枢を担うので、延髄出血が直接
的に死に寄与したとも考えられるが、脳は全体として生命の維持を行っていると
考えられることから、広範な外力作用の波及に基づく出血を伴う損傷により、脳
全体の機能障害が生じ、意識障害や呼吸停止によって死亡したと考えられる。本
児の死因は延髄損傷を含むびまん性脳損傷と考えられる。
⑶ H医師の見解の要旨
病理検査の結果、本児には、脳実質の断裂と出血を、延髄を含む脳組織にびま
ん性に認めたことから、びまん性脳損傷と判断されるところ、病死の可能性、窒
息死の可能性、てんかんの

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。