事件の基本情報
| 裁判所 | 高松地方裁判所 民事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(行ウ)10 |
| 判決日 | 2026-03-31 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法14条1項、憲法15条1項、憲法44条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①公選法11条1項2 号の憲法適合性、②同号のうち、仮釈放中の受刑者の選挙権を制限する部分の憲 法適合性、③原告に対して同号を適用することの憲法適合性である。 (原告の主張) 1 争点①(公選法11条1項2号の憲法適合性) 5 ⑴ 判断枠組み 公選法11条1項2号の憲法適合性の判断枠組みは、最高裁平成13年(行 ツ)82号、同83号、平成13年(行ヒ)76号、同77号大法廷判決平成1 7年9月14日・民集59巻7号2087頁(以下「平成17年最判」という。) を採用すべきである。したがって、①受刑者が「自ら選挙の公正を害する行為 10 をした者等」に該当せず、②平成17年最判のいう「やむを得ない事由」が認 められる場合、すなわち「そのような制限をすることなしには選挙の公正を確 保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認 められる場合」に当たらなければ、公選法11条1項2号は違憲となる。 ⑵ 「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」 15 「自ら選挙の公正を害する行為をした者等」とは、公選法に違反して「自ら 選挙の公正を害する行為をした者」のほか、政治資金規正法違反、地方公共団 体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法 等の特例に関する法律違反等、公選法違反に類似する犯罪を犯した者を指す(以 下、公選法252条、政治資金規正法28条及び地方公共団体の議会の議員及 20 び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する 法律17条による選挙権制限を「選挙犯罪者等の選挙権制限」という。)。受刑 者はこれに該当しない。 受刑者に対する選挙権制限と、選挙犯罪者等の選挙権制限は、以下のとおり、 その性質を異にするから、これらを同視して「自ら選挙の公正を害する行為を 25 した者等」に該当すると考えることはできない。 ア 選挙犯罪者等の選挙権制限は、犯罪に対する制裁として規定されているが、 受刑者に対する選挙権制限は、公選法上、選挙人の資格に係るものとして規 定されており、規定の態様が異なる。 イ 選挙犯罪者等の選挙権制限は、刑事裁判において、選挙の公正を害した程 度が考慮され、その要否や制限の期間が判断される。これに対し、受刑者の 5 選挙権制限は、受刑者であることを理由に一律になされるものであり、司法 判断を経たものではない。 ウ 公選法252条及び政治資金規正法28条の規定により選挙権を制限され ている者は、選挙活動も禁止されているが(公選法137条の3)、受刑者に 対し、選挙運動を禁止する規定はない。 10 以上より、選挙犯罪者等の選挙権制限と、受刑者に対する選挙権制限とは、そ の性質が異なるから、これらを同視して、「自ら選挙の公正を害する行為をした 者等」に当たるとする
主文(判決文より)
1 被告が令和7年12月4日付けで原告に対してした選挙人名簿の登 録に関する異議の申出を棄却する決定を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 5
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。