公費返還等請求事件

事件の基本情報

裁判所奈良地方裁判所 民事部
事件番号令和4(行ウ)17
判決日2026-05-21
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法13条、憲法14条、憲法19条、憲法20条3項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
(1) 本件支出負担行為等の違法性(争点①)
【原告らの主張】
ア 本件国葬儀の実施が違憲・違法であり、本件国葬儀に参列することが違
法であること
次のとおり、本件国葬儀は、違憲・違法なものであり、給与条例及び旅
費条例に基づく支出決裁をする場合、「公務のため」の審査においては、そ
の旅行目的や旅行先等を審査することになり、違法な目的に対する支出は
認められていないことから、旅行目的や旅行先が違法である場合、支出決
裁者は、支出負担行為を拒否する義務を負っている。そして、本件国葬儀
への参列自体を目的とする旅行について、本件国葬儀への参列自体が違法
である以上、財務会計行為である本件支出負担行為等も違法である。
被告が主張する「重大かつ明白な違法ないし瑕疵」「外見上一見して看取
できる違法ないし瑕疵」であるかは、本件支出負担行為等の基準として不
当である。
(ア) 本件国葬が違憲であること
a 憲法13条、14条違反
本件国葬儀は、元総理大臣という特定の現職政治家を、国の儀式と
いう形で、国家を挙げて追悼するというものであり、元総理大臣を一
般国民と差別し、特別の地位を認めることになるから、憲法13条、
同14条に違反する。国家に個人の葬儀を行う義務がないにも関わら
ず、本件国葬儀により、特定の故人に対して国家として葬儀を行った
以上は、国家として特定の者の人生を積極的に評価したことになり、
これは、葬儀を行わなかった故人に対しては、国家が葬儀をするに値
しない人生を消極的・否定的に評価していることと同義であり、憲法
13条に違反する。また、国家が葬儀を行うことは元総理大臣を特別
扱いするものであり、憲法14条に違反する。
b 憲法19条違反
国葬儀という形式をとることの意味は、国を挙げて個人を追悼し、
一定の敬意や気持ちを示すという意味に他ならない。よって、国葬儀
という形式を採用することで、元総理大臣に対して敬意や弔意を持ち
[中略: 9ページ]
することにより、間接的に信教の自由の保障を確保しようとするものであ
る。そして、憲法の政教分離規定の基礎となり、その解釈の指導原理とな
る政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあ
るが、国家が宗教とのかかわり合いを持つことを全く許さないとするもの
ではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果に鑑み、
そのかかわり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自
由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超え
るものと認められる場合にこれを許さないとするものであると解される。
このような政教分離原則の意義に照らすと、憲法20条3項にいう宗教
的活動とは、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いを持つ
全ての行為を指すもの

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。