事件の基本情報
| 裁判所 | 大分地方裁判所 民事第1部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)405 |
| 判決日 | 2026-04-23 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法13条、憲法14条、憲法22条、憲法22条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①駅の無人化が障害者差別に該当し、又は障害者にとっての 合理的配慮義務に違反する違法なものか、②駅の無人化が障害者にとっての安 全性確保義務に違反する違法なものか、③原告らの損害及び額である。 ⑴ 争点①(駅の無人化が障害者差別に該当し、又は障害者にとっての合理的配 慮義務に違反する違法なものか)について 【原告らの主張】 ア 障害者にとっての移動の権利等について 「移動する権利」は、憲法13条の「幸福追求権」を根拠として保障さ れている。現代社会において、交通は人格権存立の不可欠の基礎をなして いることから、一定水準の移動手段を維持し、形成することは幸福追求権 の目標・内容である。 また、憲法22条1項によって保障される「居住・移転の自由」は、現 代社会において、「経済的自由」、「人身の自由」、「精神的自由」たる 側面を併せ有する複合的な権利であるとされ、このような自由を実質的に 保障するための積極的な権利手段を確保する上で、「移動の手段」を保障 内容とする交通権を、現代的居住・移転の自由権として憲法22条に含ま しめることが必要である。 さらに、障害者に憲法13条及び22条1項によって保障される「移動 の権利」とは、障害を理由として、道路・交通機関などの公共空間の移動 に関して、制限を受けない権利と捉える必要がある。 障害者は、その障害の故に移動に当たって様々な制約を受けるため、そ の制約が除去されない限り、「移動の権利」が保障されていることにはな らない。公共交通機関を利用することは、単なる移動手段にとどまらず、 利用すること自体が、喜びや達成感を感じたり、人と交流したり、自分ら しく生きる手段として、極めて重要なものである。 そうすると、被告が本件利用駅を無人化したことによって、従前と異な り、障害を抱える原告らが思い立ったときに自由に鉄道を利用できなくな ったことは、原告らとの関係においては、憲法13条や22条に由来する 鉄道利用権を侵害するものとなるというべきである。 イ 障害者差別について (ア) 憲法14条によれば、障害者が、障害を有しない市民と同等な状態で、 公共交通機関等を利用できる環境が保障されなければならない。障害者 は、駅の無人化によって障害を有しない者と異なり、急な鉄道の利用や、 予定変更による鉄道の利用ができなくなっており、「差別」が生じてい る。 障害者差別解消法8条1項の差別的取扱いの禁止は、令和3年法律第 56号による改正前から法的義務として定められており、車椅子利用者 等の障害者に対して、被告が鉄道の利用に当たって事前の連絡を要求し ていることは、同項の差別的取扱いに当たる。そうすると、例外的にこ れが許されるのは、その取扱いに正当な理由がある場合に限られること になり、この正当な理由が存在するか否かは極め
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。