妨害予防請求事件

事件の基本情報

裁判所山口地方裁判所 岩国支部
事件番号令和4(ワ)70
判決日2026-03-05
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
(1)原告の公有水面埋立権に基づく妨害予防請求の可否(争点1)
(原告の主張)
ア 公有水面埋立権に基づく妨害予防請求が認められること
公有水面を支配し管理する権能は、本来、国がこれを有するところ、公
有水面の埋立てをしようとする者は、国の委任を受けた都道府県知事から
上記権能に基づく公有水面埋立免許を受けることによって、一定の公有水
面の埋立てを排他的に行い、土地を造成することのできる地位を取得する
(公水法1条、2条)。そして、この者は、上記地位に基づき、自己の負
担において埋立工事を行い、工事が竣功したときは、遅滞なく竣功認可を
申請し、これを受けた都道府県知事が竣功を認可してこれを告示すると、
[中略: 24ページ]
派漁業者らの行動を制御し得る権限を有していないし、会員らに対して本
件公有水面で自由漁業を行うよう指示したことはないから、被告が計画的、
組織的に妨害行為を行ったということはないし、被告には本件訴訟の被告
適格も認められないと主張する。
しかしながら、前記(2)のとおり、被告は、被告の会員らに呼びかけ、
原告による本件海上ボーリング調査を組織的に妨害したものであるから、
被告が本件海上ボーリング調査等を妨害するおそれは認められる。また、
本件訴訟は、原告が被告に対して妨害行為の禁止を求める給付訴訟である
から、被告に被告適格が認められることは明らかである。
したがって、被告の上記主張は理由がない。
ウ 被告は、原告は本件条例に基づく一般海域占用許可を受けていないから、
本件工事施行区域において埋立てを実施することができない以上、妨害の
おそれは認められないと主張する。
しかしながら、前記1(4)アのとおり、原告は、公有水面埋立免許を
受けている以上、本件条例に基づく一般海域占用許可を受けずとも本件工
事施行区域において埋立工事を施行することができるから、被告の上記主
張は理由がない。
(4)小括
したがって、被告が原告による本件海上ボーリング調査等を妨害するおそ
れが認められる。
3 争点5(原告の公有水面埋立権に基づく妨害予防請求の権利濫用該当性)に
ついて
(1)検討
ア 被告は、原告が新規制基準の施行後も長期間にわたり本件発電所の原子
炉設置許可申請について補正等をせず放置していたことにより、原告の公
有水面埋立権はいわば無期限に凍結された権利となっており、権利として
極めて脆弱であると主張する。
しかしながら、前記1(2)、(3)のとおり、原告は、新規制基準施
行後、本件発電所につき同基準への適合に向けた検討を開始し、陸上ボー
リング調査等を実施しており、また、本件発電所敷地内の断層の活動性評
価に万全を期すため、本件海上ボーリング調査を実施して必要な地質デー
タを得ようとしていることに照らすと

主文(判決文より)

1 被告は、別紙物件目録記載の区域のうち、別紙図面の青線で囲まれた範囲の
公有水面において、自己又は第三者をして、原告による海上ボーリング調査を
含む原告の公有水面に対する使用を妨害する一切の行為をしてはならない。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。