事件の基本情報
| 裁判所 | 熊本地方裁判所 民事3部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ワ)411 |
| 判決日 | 2026-03-04 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 決定 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 原告の被告に対する本件返還債務の有無 4 争点に関する当事者の主張 (被告の主張) ⑴ 原告の被告に対する立替金返還債務の存否 ア 業務方法書33条3項は、地方事務所長は、援助開始決定又はその後の 決定において定めた事項の全部又は一部を変更することが相当と認めると きは、職権で、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、援助 開始決定又はその後の決定において定めた立替金額を変更する決定をする ことができる旨定めており、同条4項は、着手金等の立替金を減額すると きは、受任者に対し、既に交付した金銭について返還を求めるべき額及び 支払方法を定めることできる旨定めているから、地方事務所長は、その職 権と合理的な裁量をもって返還を求めるべき額及びその支払方法を定める ことができるというべきである。 イ 本件において、Aは保佐開始の審判の申立てがなされる前に医師から後 見相当である旨の診断を受けたほか、熊本家庭裁判所から後見開始の審判 を受けており、これによって、Aが事理弁識能力を欠く常況にある者であ ることが明らかになったところ、代理援助契約において、被援助者は、受 任者及び被告との間で三者契約を締結し、受任者に有償で事務を委任する 結果として、被告に対して委任の着手金等を償還する義務を負うという受 益と義務の発生を理解する必要があり、事理弁識能力を欠く常況にある成 年被後見人が、代理援助契約の内容、法律関係等を理解することは極めて 困難であるから、本件所長が、Aについて「援助を継続することが著しく 困難であるとき」(業務方法書56条1項2号)に当たるとして本件終結 決定をし、これを理由として、本件変更決定をしたことには合理性、相当 性が認められる。 したがって、原告は、被告に対し、立替金返還債務を負っている。 ウ 原告は、本件終結決定及び本件変更決定が消費者契約法8条の3に違反 し無効であると主張するが、代理援助契約において、後見開始の審判等に よる解除条項は規定されていない。また、同法8条の3は、消費者の後見 開始を契機に、個別に当該契約についての適合性の有無を確認するなどし て、客観的に合理的な理由がある場合に当該契約を解除できる旨の規定ま で一律に無効とするものではないところ、本件では、Aが後見開始の審判 を受けたことで、事理を弁識する能力を欠く常況にある者であることが明 らかとなったため、本件所長が「援助を継続することが著しく困難である とき」に該当する状況が生じたものとして本件終結決定を行ったのである から、本件終結決定及び本件変更決定は同法8条の3の趣旨に反するもの ではない。 ⑵ 原告の返還額 本件所長は、個別契約の終了に伴って受任者等に対して金銭返還を求める 場合における着手金の減額割合の基準を定めた本件細則別表2を参考にして 本件変更
主文(判決文より)
1 被告熊本地方事務所長が令和6年5月1日付けでした、原告の不服申立てに 対する決定に基づく原告の被告に対する8万6400円の立替金返還債務が存 在しないことを確認する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。