事件の基本情報
| 裁判所 | 広島地方裁判所 刑事第2部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(わ)559 |
| 判決日 | 2026-07-03 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法60条、刑法66条、刑法68条2号 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、少年法55条による家庭裁判所への移送の可否である。弁護人は、 被告人は少年院での育て直し(保護処分)をすることが適切かつ許容される旨主張 するところ、本件では、特に、特定少年である被告人について、保護処分をもって 臨むことが許されるような特段の事情の有無が問題となる。 そこで検討すると、本件当日、被告人とAは、二人がかりで、抵抗する被害者に 対し、殴る蹴るなどの執拗かつ強度の暴行を加えた上、被告人がうつ伏せの被害者 に馬乗りになった状態で、Aが木の棒(重さ約1.5㎏)で人体の枢要部である被 害者の後頭部を複数回殴打しており、犯行態様は危険かつ悪質である。被害者から 奪った現金は少額とはいえない上、被告人らの暴行によって突如として命を奪われ た被害者の無念は計り知れず、結果は重大であるが、被害結果に見合う被害弁償の 見込みはない。被害者の遺族が厳しい処罰感情を述べるのも当然である。 被告人とAは、Cと援助交際をしていた被害者に因縁をつけ、金品を奪う目的で 本件犯行に及んでいる。被害者に強度の暴行や金品が奪われることを甘受すべき落 ち度はなく、被告人らの動機や経緯は、身勝手であり、酌むべき点はない。 被告人の役割・関与の程度等についてみると、本件犯行は後輩であるAが主導し て計画したものであり、被告人は、Aに依頼されて本件犯行に関与したものであっ て、Aの計画に巻き込まれた側面もある。しかし、被告人は、報酬額をAに取り付 けたり、自らも被害者に強度の暴行を加えたりするなど、金品を奪うため本件犯行 に積極的に関与しており、Aに従属していたわけではない。被害者の致命傷となっ た後頭部への木の棒による殴打はAが行ったものであるが、当該行為は被告人の 「なんとかせえや」との発言を契機になされたものであることや、A単独では本件 犯行の完遂が困難であったことなどにも照らすと、被告人は本件犯行に必要不可欠 で重要な役割を果たしたといえる。その結果、被告人は被害額の約4割に相当する 3万円の報酬を得ている。 これに対し、弁護人は、被告人には過酷な成育歴から心理的脆弱性があり、後輩 であるAからの依頼を断れなかったことなどを、上記特段の事情として主張する。 しかし、被告人に弁護人の主張するような心理的脆弱性が認められるとしても、被 告人も報酬欲しさの目的もあり上記のとおり積極的に本件犯行に関与していること 等に照らすと、被告人の特性は同人の意思決定に間接的な影響を与えたにすぎない。 以上の犯情に照らすと、本件の重大性、悪質性は高いといえ、本件が暴行の非行 歴の保護観察中の犯行であることも併せ考慮すると、被告人が、被害者に対する謝 罪文を作成し、当公判廷で一応反省の弁を述べたこと、実母及び継父が被告人の更 生に向けた支援をする旨述べたこと(ただし、その監督の能力や実効
主文(判決文より)
被告人を懲役18年に処する。 未決勾留日数中190日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。