事件の基本情報
| 裁判所 | さいたま地方裁判所 第1刑事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)406 |
| 判決日 | 2025-06-04 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、判示第2、第3の1及び2の各拳銃発射の際の殺意の有無である。 1 被告人が使用した拳銃について S証言等に照らせば、本件拳銃は、正常に作動するトカレフ型自動装填式拳銃 であり、約200mの射程を有し、発射された弾丸は窓ガラスや車のドアを貫通 後であっても殺傷能力のある速度で飛翔することなどが認められる。被告人は本 件拳銃を長期間保有し、その間に何度も撃ったことがあると述べており、本件拳 銃の殺傷能力の高さを十分認識していたものといえる。 2 判示第2について(病院での発射) 証拠によれば、判示時刻頃には、不特定多数の職員や患者が判示の病院を利用 していたことが認められ、実際に被告人が銃弾を撃ち込んだ診察室には、医師、患 者ら3名が在室していた。被告人は、診察室の窓から約3mしか離れていない路 上から拳銃を発射し、その弾丸は、窓ガラスを貫通した後、座っていた患者及び医 - 3 - 師の頭から数十cmしか離れていない位置を通過し、同室南側ドアに着弾した。 被告人は、室内に人がいる可能性が十分考えられる部屋の窓ガラスに向かって、 近距離から前記のような性能を持つ本件拳銃で弾丸を撃ち込んだもので、現にそ の弾丸は、窓ガラスを貫通し、人の頭部付近を通過している。発射時における同 診察室内の人の配置や体勢等の状況次第では、弾丸が人に当たるなどして致命傷 を負わせる可能性が十分にあったといえ、この発射行為は、人が死ぬ危険性が高 いものであったことが明らかである。そして、被告人自身も、その部屋が人の出入 りする事務室であろうと考えていたというのであり、このような発射行為を自ら の意思で行っている以上、前記危険性の認識に欠けるところはないと認められる。 被告人は、驚かせるために、窓の上の方を狙った旨述べるが、実際の弾道と大き く異なるもので、信用できない。また、弁護人は、弾道は上昇する軌跡を描いてい るところ、殺意があれば水平に撃つのが自然である旨主張するが、発射時の被告 人と同窓との位置関係に照らせば、同主張は採用できない。 したがって、被告人には殺意があったと認められる。 3 判示第3の1について(郵便局での発射-その1) 証拠によれば、K郵便局内において、右手に本件拳銃を持った被告人が、南か ら北に振り向きざま、N警察官のいた北側出入口の風除室側に銃口と自身の体を 向けて発砲したこと、その際、被告人とN警察官との間の距離は約5m程度しか なく、N警察官は、縦60cmの防弾盾を体の前面に構えてはいたものの、他に何 らの防弾装備を身に着けていなかったこと、実際に発射された弾丸は、N警察官 の左足の左側約50cmしか離れていない地点を通過したことなどの事実が認め られる。 被告人は、本件拳銃を防弾装備が不十分なN警察官のいる方に向けて、至近距 離から発射し、相手
主文(判決文より)
1 被告人を懲役24年に処する。 2 未決勾留日数中240日をその刑に算入する。 3 さいたま地方検察庁で保管中の ①拳銃1丁(令和7年さいたま領第183号符号1) ②発射弾丸7個(同号符号2-1、4-1、5-1)及び打ち殻薬き ょう7個(同号符号2-2、4-2、5-2) ③発射弾丸15個(同号符号3-1)及び打ち殻薬きょう15個(同 号符号3-2) を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。