事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 金沢支部 第1部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(行コ)3 |
| 判決日 | 2025-09-17 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点3(本件改定の国家賠償法上の違法性)について 以上のとおり、本件改定は、生活保護法3条、8条2項に違反して違法で 25 あるが、そのことから直ちに本件改定につき国家賠償法1条1項にいう違法 があったとの評価を受けるものではなく、厚生労働大臣が職務上通常尽くす べき注意義務を尽くすことなく漫然と本件改定をしたと認め得るような事情 がある場合に限り、上記評価を受けるものと解するのが相当である(最高裁 平成元年(オ)第930号、第1093号同5年3月11日第一小法廷判 決・民集47巻4号2863頁、最高裁平成17年(受)第1977号同1 5 9年11月1日第一小法廷判決・民集61巻8号2733頁参照)。 上記2のとおり、保護基準は、最低限度の生活の需要を超えないものでな ければならないのであり、仮に本件改定前の生活扶助基準が上記需要を超え たものとなっていたというのであれば、これを引き下げることは、生活保護 法8条2項の規定に沿うところであるということができる(前掲最高裁平成 10 24年2月28日第三小法廷判決、前掲最高裁平成24年4月2日第二小法 廷判決参照)。そして、上記4⑴に説示したとおり、厚生労働大臣が、本件 改定当時、生活扶助基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じ ていると判断したことにつき、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や 専門的知見との整合性に欠けるところがあるとはいい難く、平成24年8月 15 に施行された社会保障制度改革推進法附則2条1号においても、政府は、生 活保護制度に関し、生活扶助の給付水準の適正化その他の必要な見直しを早 急に行うものとする旨が規定されていたものである。加えて、上記4⑵に説 示したとおり、生活扶助基準の改定に当たり物価変動率を指標とすること自 体が直ちに許容されないものとはいえず、平成15年中間取りまとめにおい 20 ては、生活扶助基準の改定の指標の在り方について検討の必要性が指摘され、 消費者物価指数の伸びを上記指標とすることも考えられるとされていたとこ ろである。 これらに照らせば、厚生労働大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽く すことなく漫然とデフレ調整に係る判断をしたと認め得るような事情があっ 25 たとまでは認められず、他に、同大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽 くすことなく漫然と本件改定をしたと認め得るような事情があったというべ き根拠は見当たらない。 したがって、本件改定につき国家賠償法1条1項にいう違法があったとい うことはできない。(前掲各最高裁令和7年6月27日第三小法廷判決参照)
主文(判決文より)
1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2 一審原告らの控訴費用は一審原告らの負担とし、一 審被告市の控訴費用は一審被告市の負担とする。 5
出典
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