事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 第3刑事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(う)330 |
| 判決日 | 2026-06-25 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点の概要は、①被告人が、8日から24日頃までの間、A から、所定の手続の履践にかかわらず、本件法人の理事をAの指定した人物に変更 できるよう権限を行使してもらいたい旨の請託を受けたか、②その請託が「不正の 請託」に当たるか、③収受の約束があった金銭は不正の請託の対価といえるか、と いうものである。 原審検察官は、本件における「不正の請託」とは、本件法人の理事長として、法 令、定款等を遵守し、役員が適正に選任されるように職務を行わなければならない 被告人に対し、その金銭的利益及びAらによる本件法人の運営の掌握のため、所定 の手続が履践されないであろうことを前提として、本件法人の役員をAの指定した 人物に変更できるよう権限を行使してもらいたい旨依頼することをいい、忠実義務 違反に該当しない限り、本件法人の理事をAの指定した人物に変更することの依頼 だけでは、基本的には「不正の請託」に該当しない旨釈明するとともに、論告にお いて、被告人とAは、6月中に理事をAの指定した人物に変更することを合意し、 この合意が法令、定款等を遵守していては実現が困難であることを認識しており、 被告人は、Aの依頼が、法令、定款等を遵守しないことを含むいかなる手段を使っ ても6月中に理事を変更してほしいというものであると理解していた、などと主張 した。 2 原判決の「事実認定の補足説明」の要旨 原判決は、「事実認定の補足説明」において、原判示のとおり本罪が成立すると判 断した理由を説明している。その要旨は、次のとおりである。 ⑴ Aは、「被告人が本件法人の理事長の地位を譲り、運営を任せる」条件として、 一貫して、6月中に一部の理事をAが指定する人物に変更することを求め、被告人 も、Aの要求を認識しており、その要求をかなえるためには定款等所定の手続が履 - 3 - 践されない可能性が十分にあり、A及び被告人は、その可能性を認識しながら、そ れでも構わないと考えており、請託や承諾に係る双方の認識は24日にかけて徐々 に強固なものになっていったと認められる。Aから、理事長である被告人の権限の 行使として、定款等所定の手続の履践の有無にかかわらず、6月中に理事の一部を Aの指定する人物に変更してほしい旨の請託があり、被告人はそれを承諾したと認 められる。 ⑵ 本罪は、理事の職務の公正とそれに対する社会一般の信頼を保護する規定で あり、不正の請託の「不正」とは、違法を意味し、法令に違反する場合のほか、定 款等の事務処理規則違反のうち重要な事項の違背も含まれると解されるから、定款 等の所定の手続の履践にかかわらず理事の一部を変更するよう請託することも「不 正の請託」に当たる。 ⑶ Aから被告人への1億3400万円の支払は、被告人が所定の手続の履践に かかわらず6月中に理事の一部をAの指定する人物に
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。