損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和2(ワ)946
判決日2026-01-09
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、民法415条、民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張の要旨
(1) 安全配慮義務違反の有無
(原告らの主張)
ア Iは、亡Fの同室者で服務指導をする立場にあったにもかかわらず、亡F
に対し、指導の際に殴る・蹴るの暴行を加える、自ら使用するスペースを掃
除させ、Iの在室時に行えばうるさい、邪魔だなどと言い、不在時に行えば
なんで掃除をしないのかなどと文句をつける、消灯後の午後11時以降まで
テレビをつけたり電話をしたりして就寝を妨害する、「死ね」、「やめろ」との
暴言を浴びせる、不必要な腕立て伏せをさせるなどのいじめや嫌がらせ、睡
眠妨害行為を行い、自死の前日には尻を蹴り上げるなどの暴行を加えた。
イ 亡Fは、I以外の隊員からも、「くず」、「ざこ」、「仕事何ちんたらしている
んだ、ざこ」、「言われたことができないなら自衛隊をやめろ」などと人格を
否定されて叱責される、頭を叩かれる、その面前で椅子を蹴る、平手打ちを
されたが、これらは自衛隊内における服務指導(躾)の範疇と称するいじめ
の一環である。
亡Fは平成24年1月には精神科に通院し、睡眠障害の治療を受けるよう
になった。
ウ 原告Aや亡Fは、平成23年12月以降、亡Fの上司であるN、O及びM
に対し、亡Fのいじめ被害や精神科受診の事実、退職の意向を繰り返し伝え
た。
原告Aは、平成24年5月19日に亡Fと共にM及びNと面談し、今すぐ
自衛隊を辞めさせてもらいたい旨を伝えたが、貯金をして免許を取得した後
に退職させるなどと言われ、退職が認められなかった。
原告Aは、その際、在職させるのであれば班体制を変更して亡Fが生活し
やすいようにしてもらいたいこと、亡Fが接する可能性のある人には亡Fが
精神科に通っていて投薬を受けていることを配慮してもらいたいなどと伝
え、M及びNはこれを了承した。
エ N、O及びMらにおいては、亡Fがいじめに遭っていること、精神科を受
診していることを認識し、かつ、認識すべきであったから、被告は、亡Fが
精神科を受診している事実やその病状をE支処内部で共有した上で、亡Fの
就業環境の見直しに向けた職務上の対応をすべき安全配慮義務を負ってい
た(仮にいじめの事実がなかったとしても、精神科に受診している隊員に対
するものとして独立の安全配慮義務を負っていた。)。
しかるに、被告は、①Iやいじめを行っていた者に対する指導・監督、配
置換え・部屋替え等の対処をせず(いじめの放置)、②退職を希望する亡Fを
引き留めて退職を妨害し(退職妨害)、③亡Fを管理・指導する担当者に亡F
の精神科受診やその病状について情報共有するなどの職務上の対応・職場環
境の見直しをしなかった(情報共有懈怠)ものであり、亡Fの就業環境につ
いて何らの措置も講じなかった。
オ 被告の上記安全配慮義務違反の結果、亡Fは自死に至った。
(被告の主張)
ア 

主文(判決文より)

1 被告は、原告Aに対し、110万円及びこれに対する令和2年6月2日から支
払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は以下のとおりとする。
(1) 原告Aに生じた費用はこれを100分し、その1を被告の負担とし、その余
は原告Aの負担とする。
(2) 被告国に生じた費用は、これを100分し、その1を被告の負担とし、その
5を原告Bの、その5を原告Cの、その5を原告Dの、その余を原告Aの各負
担とする。
(3) その余の費用は各自の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。