損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和5(ワ)1295
判決日2026-03-27
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法210条1項、国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点についての当事者の主張
本件における主な争点は、①本件開扉行為、②本件窓破壊行為及び③本件緊急
逮捕の各違法性のほか、④原告Aの受傷であり、これらの点についての当事者の
主張は以下のとおりである。
(1) 争点①(本件開扉行為の違法性)について
(原告らの主張)
原告Bは、警察官らから本件カードキーを交付することや本件居室内への立
入りに承諾することを執拗に求められたが、本件居室には入らない(本件ドア
を解錠しない)という約束の下で、本件エントランスのオートロックを解錠し、
本件ドアの金属カバー(シリンダー)の位置によって原告Aの在室の有無を確
認するという目的のためだけに、本件カードキーを交付したのであって、その
約束を反故にして無令状で行った本件開扉行為は違法である。
(被告の主張)
警察官らは、本件居室に飼養していたモルモットの亡骸を取りに行くことを
望んだ原告Bの保護のために本件マンションに向かったところ、原告Bの説明
によれば本件居室内に原告Aが在室している可能性があったため、原告Bに対
し、同居室内に原告Aが在室していないことが確認できるまでは警察車両内で
待機するよう伝え、原告Bもこれに反対しなかった。
その上で、警察官らは、原告Bに本件エントランスのオートロックを解錠さ
せるとともに、原告Bから本件ドアの解錠方法の説明を受けた上、本件カード
キーの交付を受けたのであって、原告Bの同意を得て行った本件開扉行為に違
法性はない。
(2) 争点②(本件窓破壊行為の違法性)について
(原告らの主張)
以下のとおり、原告らの承諾なく無令状で行われた本件窓破壊行為は、違法
である。
ア 原告Bは、警察官らから本件ガラス窓を割ることについて承諾を求められ
た際、強く拒否し、「弁償してくれるのか」などと発言したのに対しても、警
察官らが弁償すると言うことはなかったため、最後まで拒否し続けていた。
原告Bは本件DVについて事件化を望んでおらず、本件DV後も原告Aと
生活を続けていたのであって、そのような状況において原告Bの承諾なく本
件窓破壊行為が許容されることはない。
イ また、本件居室においては原告Aも居住していたところ、原告Aは、同居
室内への立入りを明確に拒否していた。
ウ さらに、仮に本件窓破壊行為の時点において緊急逮捕に着手していたので
あるとしても、本件DVの重大性、逮捕の緊急性、本件ガラス窓の破壊によ
り原告Bに与える不利益の程度等を総合考慮すれば、本件窓破壊行為は必要
かつ相当な手段として許容される限度を超えていた上、そもそも下記(3)の
とおり本件緊急逮捕については緊急性の要件がなかった。
(被告の主張)
以下のとおり、原告Bの承諾を得た上、原告Aの逮捕のために社会通念上必
要かつ相当な最小限度の処分としてされた本件窓破壊行為には、違法

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は、原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。