麻薬及び向精神薬取締法違反幇助、麻薬及び向精神薬取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所 第3刑事部
事件番号令和4(う)942
判決日2025-09-09
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点整理案のうち、正当行為該当性に関する弁護人
の主張内容(被告人は、植物甲茶等がもたらす幻覚作用を用い、世界の在
り方を再認識する、精神疾患を治療するといった目的のため、自ら飲用し
たり第三者に提供したりし、真摯な宗教的行為として取り扱っていたから
正当行為に当たるとする旨のもの)に照らせば、麻向法所定の免許のない
被告人の行為が正当行為に当たるとして違法性が阻却されることはないと
解される。
そうすると、アヤワスカ(厚生労働省のホームページでは、「アヤワス
カ関連植物」の項中で「南米アマゾン川流域地方の原住民が古くより宗教
儀式に用いた植物。ジメチルトリプタミン(DMT)含有植物とβ-カルボリ
ン系化合物(ハルミン、ハルマリン等)を含有する植物を組み合わせて摂
取する。原住民は、この調合飲料をアヤワスカと呼ぶ」と説明されてい
る。)を用いた療法や薬理作用、DMT の医療面における効用等に関する書
証及び証人は、その内容にかかわらず取調べの必要性があるとはいえない。
これらの請求を却下した原裁判所の判断に誤りはない。
また、書証4点は、その立証趣旨(「内因的に生合成された DMT の尿中
排泄量は健常者よりも急性精神病患者ではるかに高いこと等」、「1955
年から 2010年までに実施された内因性 DMTの研究に関する批判的レビュー
の結果等」)からすれば、被告人やAの尿鑑定で検出された DMT が内因性
のものと区別し難いとする争点や所論を踏まえても、関連性の有無・程度
は明らかといえないし、書証3点は、我が国と法制度等の異なる外国の裁
判例等であり、争点との関連性は乏しい。国際麻薬統制委員会の見解は、
原裁判所が採用して取り調べた証拠に表れている上、同委員会による「向
精神薬に関する条約」の解釈等は、我が国における麻向法の解釈を拘束す
るわけではないから、更に公務所照会を行う必要性があったとは認められ
- 6 - 高刑集第77巻1号 6
[中略: 15ページ]
合理であり、直ちに是認することはできない。
もっとも、原判決は、原判示第1ないし第4及び第6の顧客らが、
DMT 成分の薬理効果を得るために本件サイトを通じてメディティーや植
物甲の木片を購入し、本件書面等で示された方法で本件湯茶等を生成し
又は生成しようとしたり、飲用したりしたことを認め、また、被告人に
ついても、DMT 成分の薬理効果を得ながら音楽制作をするため、冷凍保
管していた原判示第5の水溶液を解凍するなどして飲用し、あるいは、
本件サイトの活動等のために同第7の水溶液を保管していたことを認め
ている。そして、顧客ら及び被告人の前記行為は、いずれも麻薬である
DMT の薬理効果に着目したものであり、社会通念上正当な理由があると
は認め難く、麻薬以外の物を原料とし、化学的な合成を経ない方

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。