商標権侵害差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和7(ネ)1750
判決日2026-02-13
分類知的財産 / 商標
判決種別判決
判決文が挙げた条文商標法36条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
原判決第2の4(原判決4頁8行目から同頁9行目まで)に記載のとおりで
あるから、これを引用する。
4 争点に関する当事者の主張
後記5のとおり、当審における争点1に関する当事者の補充主張を加えるほ
かは、原判決「事実及び理由」第3の1及び2(原判決4頁11行目から7頁
13行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
5 当審における争点1に関する当事者の補充主張
(被控訴人)
(1) 商品名、サービス名称などの冒頭に「あわ」を付する例は本判決別紙被控
訴人商品名等一欄表の商品名等欄に掲記したとおり多数みられるところ、こ
れらの用例は、地名である阿波が、平仮名の「あわ」で表記されているもの
の、各名称に含まれるが冒頭の「あわ」が、地名である「阿波」を指すもの
として用いられていることが明らかである(甲8)。このように、商品名等の
冒頭に「あわ」と付された場合、取引者及び需要者に対して、地名である「阿
波」を想起させているといえる。
(2) そして、被告標章も、その冒頭に付された「あわ」の部分が、地名である
「阿波」を想起させるものであって商品の産地又は販売地を意味するにすぎ
ず、同部分は出所識別機能を有さない。
(3) したがって、被告標章は、「恋いちご」の部分が出所識別機能を担う要部
となるから、本件商標と類似している。
(控訴人)
(1) 商品名に平仮名の「あわ」を含むものについて、その使用例をみると、本
判決別紙控訴人商品名一覧表の第1類型欄記載の商標のように「あわ」が「阿
波」と併記されること等により「あわ」を地名としての「阿波」と結び付け
て理解される場合、同別紙の第2類型欄記載の商標のように「あわ」が「淡」
と併記されること等により「あわ」を「淡」の意味内容と結び付けて理解さ
れる場合、同別紙の第3類型欄記載の商標のように「あわ」という語は意識
されるが、その意味内容が特定されず、フレーズの一部として意識されるに
とどまる場合、同別紙の第4類型欄記載の商標のように「あわ」からは特定
の意味内容が何も認識されず一体の造語としてのみ把握される場合の4類型
に分類することができる。
(2) 被告標章の「あわ恋」の部分は、「淡い恋」という観念を想起させる造語
であり、その構成、印象に照らせば、被告標章は、上記第4類型に該当する
といえるから、「あわ恋いちご」の「あわ」の部分のみを切り離してその意味
内容を独立に認識することは、通常の取引の実情に反する。被告標章中の「あ
わ」に地名の「阿波」の意味を持たせるためには、上記第3類型のように「『あ
わ』の恋いちご」のような構成として「あわ」と「恋いちご」の関係を明示
的に区切る必要がある
(3) したがって、被告標章は、「あわ恋」の部分が要部となるから本件商標と
類似していない。

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、第1、2審を通じて被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。