事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 第3刑事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(う)13 |
| 判決日 | 2026-05-12 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 明石博隆(検察官)
争点(判決文より)
本件の争点は被告人の犯人性とされ、原審裁判所は、要旨以 下のとおり⑴で検察官の主張を要約した上で、⑵から⑷のとおり判断を示して 説示し、被告人が犯人であると認定するには合理的な疑いが残るとして、被告 - 1 - 人に無罪を言い渡した。 ⑴ 原審検察官の主張の骨子 原審検察官は、おおむね以下のような間接事実を挙げ、これらを総合すれ ば被告人が本件犯行の犯人であると認定できる旨主張する。 ア 本件犯行は、C組D会と対立する暴力団組織による抗争事件であるとこ ろ、被告人はD会と対立関係にあったB組の組長であったこと イ 本件犯行前後(午後4時51分頃から本件犯行を経て午後6時44分頃 までの間)の防犯カメラ映像のリレー分析(犯人と思しき人物や乗車車両 等が映った防犯カメラ映像を集めて時系列で並べたもの。以下「犯行時リ レー分析」という。)の結果によれば、犯人は、本件犯行後、黒色の原動 機付自転車でEセンターに移動後、白色スクーターに乗り換え、F病院に 移動し、そこから徒歩で民家敷地に移動していることが認定できるところ、 ①本件犯行後にEセンターで発見された黒色原付は本件犯行の際に犯人が 乗車し、被告人も関係があるA組B組G会で使用されていたものであり、 ②本件犯行後にF病院で発見された白色スクーターは犯人が乗車していた ものであると認められ、被告人が個人で使用するために購入して引き渡さ れていたものであり、③犯人は犯行後に被告人方に帰着しており、被告人 の携帯電話の発信履歴もそれに整合し、④本件犯行当日の他の時間帯(午 前9時31分頃から午後1時40分頃までの間)の防犯カメラ映像(以下 「犯行前リレー分析」という。)にも、犯人と同様の動きがみられること ウ 犯行前リレー分析において、午前11時26分前後にHビル(以下「H ビル」という。)内の防犯カメラに映っている人物(以下「Hビルの人物」 という。)と被告人は同一人物であり、Hビルの人物の着衣と犯人の着衣 の特徴が一致していること ⑵ 犯人と被告人の服装の同一性について ア Hビルの人物と被告人の同一性 - 2 - Hビルの人物と被告人の顔貌等を対比して人物の同一性を鑑定したI (肩書は富山県警察本部刑事部鑑識課調査官行政職員等)は、両人物の 画像を比較対照した結果、顔型、鼻部、口唇部、耳介部等において特徴 の一致が認められ、形態学的に矛盾が認められないことに加え、個人差 が現れる耳介部において詳細な特徴の一致がみられたことから、「おそ らく同一人であると考えられる」と判断し、親指の反り返りが顕著で、 親指の爪が白色様であること等の一致点は、この判断を裏付けるもので あるとした(甲153)。また、「おそらく同一人であると考えられる」 の意味について、最も高い確度で同一性が認められる「同一人であると 考えられる」と
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。