平群町メガソーラー林地開発許可処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所 第9民事部
事件番号令和7(行コ)44
判決日2026-06-18
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点(3) (手引き審査の当否)について
被控訴人は、手引き審査(被控訴人主張)も行ったとするが、本件各洪水
調整池の許容放流量からそれらの洪水調節容量を算出するための具体的な容
量計算式が手引きに定めがなく、林野庁通知でも示されていないため、ゴル
フ場基準の容量計算式を用いることとし、降雨波形は前方集中型、降雨継続
時間は10時間とし、想定される総雨量を147mm としたことは、上記
「第2 事案の概要」の2(4)エ(エ)(上記第2の3(9)による補正後)のと
おりである。
しかし、処分行政庁のゴルフ場基準による審査の判断過程に不合理な点が
あり、それが看過し難い程度に重大なものであるといわざるを得ないことは、
上記(2)のとおりである。
(5) まとめ
本件許可処分の違法性の審査においては、上記2(1)アのとおり、専門技
術的裁量を有する処分行政庁の判断に不合理な点があるか否かという観点か
ら行われるべきであり、現在の科学技術水準に照らし、処分行政庁が審査に
用いた具体的な審査基準に不合理な点があるか、あるいは当該開発行為が当
該審査基準に適合するとした処分行政庁の判断過程に不合理な点があり、そ
れが看過し難い程度に重大なものであると認められる場合に、審査基準の設
定又はその適用、当てはめに係る処分行政庁の裁量権の範囲の逸脱又はその
濫用がある違法なものとして、当該処分を取り消すべきものと解するのが相
当である。また、法が人の生命、身体の安全等を脅かす水害等の災害の防止
という、森林の公的機能の確保を図る趣旨から、開発許可の段階で開発行為
の設計内容を十分審査し、当該開発行為により土砂の流出又は崩壊、水害等
の災害を発生させるおそれがない場合にのみ許可をすることとしていること
に鑑み、処分行政庁の判断に不合理な点があるか否か等については、そうし
た観点から十分な検討を要することとなる。
このような観点からみれば、上記(2)のとおり、自ら基準とすると定めた
ゴルフ場基準により本件許可処分をした審査における処分行政庁の判断につ
いては、現在の科学技術水準に照らし、具体的に適用した審査基準に不合理
な点があるか、あるいはその判断過程に不合理な点があるといわざるを得ず、
しかもそれは看過し難い程度に重大なものであると認めざるを得ないから、
審査基準の設定又は適用に係る裁量権の範囲の逸脱又はその濫用がある違法
なものと認めるほかはない。
したがって、本件許可処分は取消しを免れないというべきである。
なお、上記の判断は、本件許可処分において、本件開発対象地に係る地域
の降雨特性及び下流河川のネックポイントの状況等に照らし、処分行政庁が
自ら基準とすると定めた審査基準に基づく判断として、厳しい方の基準であ
るとして適用したゴルフ場基準に基づく洪水調節容量の算定の在り方

主文(判決文より)

1 原判決中控訴人らに関する部分を取り消す。
2 奈良県知事が令和5年2月24日付けで参加人に対してした林地開発
行為の変更申請に対する許可処分(奈良県指令森と人第44号の8)を
取り消す。
3 訴訟費用(訴訟参加によって生じた費用を除く。)中当審において
生じた部分及び原審において控訴人らと被控訴人の間に生じた部分は全
て被控訴人の負担とし、訴訟参加によって生じた費用中当審において生
じた部分及び原審において控訴人らと参加人の間に生じた部分は全て参
加人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。