事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ネ)2083 |
| 判決日 | 2025-11-19 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法107条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張の要旨 後記4に当審における一審原告の主張の要旨を、後記5に当審における一審 被告東京都の主張の要旨を、後記6に当審における一審被告国の主張の要旨を それぞれ付加するほか、原判決の「事実及び理由」の第2の3に記載のとおり 20 であるから、これを引用する。 4 当審における一審原告の主張の要旨 ⑴ 争点1(一審被告東京都(留置担当官)の行為の国賠法上の違法の有無) について ア 戒具使用要件を満たさないことについて 25 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(法)は、214条1 項で保護室収容要件を定め、213条1項で戒具使用要件を定める。そし - 4 - て、戒具使用要件は、「逃走のおそれ」(同項1号)以外、保護室収容要 件と同一である。したがって、保護室収容後に戒具使用を行うためには、 保護室収容時に存在を認めた①自傷のおそれ、②他害のおそれ、③留置施 設の設備等の損壊のおそれが、保護室に収容した後も保護室に収容しただ 5 けではそれぞれが消滅せずに存在し続けたという事情が必要である。原判 決は、単に法213条1項の要件充足性のみを検討し、法214条の保護 室収容後にもなお法214条と同じ法213条の戒具使用のおそれが存続 していたかという検討を欠いており、判断過程に重大な遺脱がある。 イ 血液循環阻害防止義務違反について 10 留置担当官は、留置施設において、捕縄、手錠又は拘束衣を使用するに 当たり、「必要以上に緊度を強くして、使用部位を傷つけたり、血管の循 環を著しく妨げる等の方法で使用しない」注意義務を負っている。本件に おいて、Aを保護室に入室させた直後に仮に戒具使用の必要性があったと しても、保護室入室後、Aに対する戒具使用に際して、必要以上に緊度を 15 強くして使用部位を傷つけ、血液の循環を著しく妨げている点は違法との 評価を免れ得ない。 さらに、Aが保護室収容中床の上を転げ回っているのは、戒具による緊 縛の痛みから逃れようとしているものである。一審被告東京都は、Aの戒 具が緩んでいるとして4回にわたって締め直しており、必要以上に緊度を 20 強くして、使用部位を傷つけ、血液の循環を著しく妨げ続けているから、 一審被告東京都の上記注意義務違反は明らかである。 Aは、ベルト手錠を取り外した直後、手首から先が赤黒く膨脹していた ことが認められ、血流が阻害されていたのであるから、ベルト手錠が必要 以上に強く装着されていたことが強く推認される。 25 ベルト手錠の手首部分は、その形状からすると、手首の関節よりも胴体 側を緊縛する構造になっていると考えられ、関節について固定されていな - 5 - い以上、ベルト手錠の手首部分をいくら強く緊縛したとしても、手首の関 節を動かしてひねることは人体の構造としては可能で
主文(判決文より)
1 一審原告の本件控訴に基づき、原判決中一審被告東京都に関する部分を 次のとおり変更する。 ⑴ 一審被告東京都は、一審原告に対し、3942万9698円及びこれ 10 に対する平成29年3月15日から支払済みまで年5分の割合による金 員を支払え。 ⑵ 一審原告の一審被告東京都に対するその余の請求を棄却する。 2 一審原告の一審被告国に対する本件控訴を棄却する。 3 一審原告の一審被告国に対する当審における予備的請求を棄却する。 15 4 一審被告東京都の本件控訴を棄却する。 5 訴訟費用は、一審原告と一審被告東京都との関係では第1、2審を通じ てこれを5分し、その2を一審原告の、その余を一審被告東京都の各負担 とし、一審原告と一審被告国との関係では当審における訴訟費用を一審原 告の負担とする。 20 6 この判決の主文第1項⑴は、本判決が一審被告東京都に送達された日か ら14日を経過したときは、仮に執行することができる。ただし、一審被 告東京都が3500万円の担保を供するときは、その仮執行を免れること ができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。