事件の基本情報
| 裁判所 | 東京高等裁判所 第10民事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和7(行コ)323 |
| 判決日 | 2026-04-14 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法84条、所得税法2条1項3号 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、措置法40条の4第1項の適用上、本件外 国法人が控訴人に係る外国関係会社に当たるといえるか否か である。 第3-2 争点に関する当事者の主張は、当審における控訴人の補充 的主張及び被控訴人の反論を以下のとおり加えるほか、原判 決「事実及び理由」の第2の5に記載のとおりであるから、こ れを引用する。 第3−3 【当審における控訴人の補充的主張】 原判決は措置法40条の4第1項の「株式等(株式又は出 資をいう。)」の解釈につき、控訴人が本件財団の自益権及び 共益権と同視できる権利を有しているか否かという基準を定 立した上で、これを肯定する判断をしたが、以下のとおり誤 りである。 すなわち、課税要件については、法の文言から離れた経済 的な効果や個別具体的な事情は考慮されないと解される。そ の結果、外国法人における「株式又は出資」の存否は属人的に ではなく、あくまでも設立準拠法に基づく法制度上の観点か ら客観的に判断されるべきところ、本件財団の設立準拠法で あるリヒテンシュタイン法においては、別表のとおり、財団 の出資者に株式会社の株主や合同会社の社員のような財産的 利益を享受する権利や経営に関与する権利を付与する旨の定 めはない。 また、措置法40条の4が新設された昭和53年当時の我 が国の法人制度において、営利法人と非営利法人(財団法人) は峻別されており、持分が観念されない財団法人(甲B8参 照)には措置法40条の4の適用は考えられておらず、「株式 又は出資」がなくても実質的な観点から外国子会社合算税制 を適用することが認められるようになったのは平成29年度 税制改革によってである。本件財団に「株式」や「出資」とい う持分は観念できず、設立者は配当請求権や残余財産分配請 求権を有していない。 なお、原判決が採用した前記基準は大阪高等裁判所平成5 年7月22日判決(甲B10)により定立されたものである が、同判決は株式の存在が観念できることについては争いが なく、それが発行済みといえるか否かが争点だった事件に関 する判断であり、本件とは事案を異にする。 第3-4 【被控訴人の反論】 原判決の措置法40条の4第1項の「株式等(株式又は出 資をいう。)」の解釈に係る判示は正当である。控訴人の主張 は、原審における主張を繰り返すものか、あるいは独自の見 解に基づき原判決を論難するものにすぎず、理由がない。
主文(判決文より)
1 原判決を取り消す。 2 A税務署長が令和5年3月10日付けで控訴人に対してした平成2 9年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分のうち、総所得金額97 22万7675円及び納付すべき税額491万5000円をそれぞれ 超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。 3 A税務署長が令和5年3月10日付けで控訴人に対してした平成3 0年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分(ただし、令和6年3月 11日付け裁決によって一部取り消された後のもの)のうち、総所得金 額9818万3420円及び納付すべき税額373万5600円をそ れぞれ超える部分並びに過少申告加算税の賦課決定処分(ただし、前記 裁決によって一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。 4 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。