傷害致死(変更後の訴因 暴行)

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所 第14刑事部
事件番号令和6(わ)4764
判決日2026-03-13
分類民事
判決文が挙げた条文刑事訴訟法336条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点等
1 本件公訴事実の要旨は、被告人が、令和6年10月6日午後3時53分頃か
ら同日午後5時9分頃までの間に、大阪市内のマンションの一室のA方において、
被害者(当時1歳。)に対し、その腹部付近を手で押して同人を突き飛ばす暴行を
加えた、というものである。
2 被告人が、公訴事実記載の日時頃、同記載の居室(交際相手方)において、
交際相手の実子である被害者及び被害者の姉(当時2歳。以下、単に「姉」とい
う。)と3人で過ごしていたことに争いはない。
争点は、被告人が公訴事実記載の暴行(以下「本件暴行」という。)を加えたか
どうかであるところ、これを直接認定し得る客観証拠や目撃供述はなく、被告人も
公判で否認するが、被告人の捜査段階における自白が存在しており、実質的な争点
は、この自白の信用性である。
第2 当裁判所の判断
1 被告人の自白供述及び否認供述の内容
被告人の令和6年10月8日付け警察官調書(乙2)及び同日付け検察官調書
(乙3)には、本件当日の出来事に関して、概要、被害者と姉のためにラーメンを
作り、まず姉の前にラーメンの入った器を置いたところ、被害者がその器をひっく
り返し、汁が姉にかかってしまったため、被害者に対する怒りなどを覚え、その腹
部付近を手で押して突き飛ばした旨の記載がある(以下「本件自白」という。)。
他方、被告人は、公判で、概要、被害者が姉の前のラーメンの入った器を持った
ため、ラーメンの汁が被害者にかからないよう器を左手でつかむとともに、右手で
被害者の胸と腹部の中心あたりを払うようにして押したことはあったが、怒りから
被害者を押して突き飛ばしたことはない旨供述する(以下「否認供述」という。)。
2 本件自白の信用性
⑴ 本件自白のうち、その核心部分である本件暴行それ自体の存在を裏付けるに
足りる証拠は見当たらないし、これをうかがわせる的確な事情も証拠上見出せない。
この点、証拠によれば、本件当日、被告人が帰宅した交際相手に「被害者がラー
メンこぼしそうになって、かかりそうになって、少し怒った」などと話した事実
(甲20)や、本件当日の交際相手の外出後に被害者が嘔吐した事実(甲19~2
1)が認められる。しかし、被害者を少し怒ったという発言は、単に口で叱っただ
けとも取り得るような内容であり、本件暴行に及んだことを前提とする発言とは限
らない。また、被害者が嘔吐した原因は本件暴行以外にも種々考えられる。よって、
これらの事実を本件暴行に関する供述の信用性を支えるものということはできない。
⑵ 本件自白は、相応に具体的であるし、特に不自然な点もないが、体験した者
でなければおよそ語ることができないようなものではなく、いわゆる秘密の暴露に
当たるような事実関係も含まれておらず、その内容自体から信用性が高いというこ
ともできない。

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。