事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 第12民事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)4966 |
| 判決日 | 2026-03-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①甲府刑務所長が令和2年8月15日以降、令和3年4月30 日まで身体拘束を継続したことが国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項 の違法に当たるか(争点1)、②法務省矯正局長、法務大臣、東京地方検察庁検察 官に、刑期を適切に把握すべき義務違反があり、それが国賠法1条1項の違法に 当たるか(争点2)、③被告が、令和3年3月19日に、タイからの「通報」を受 けながら、直ちに法務大臣が原告の釈放を命じなかったことが国賠法1条1項の 違法に当たるか(争点3)、並びに④原告に生じた損害及びその数額(争点4)で ある。 ⑴ 甲府刑務所長が令和2年8月15日以降、令和3年4月30日まで原告の身 体拘束を継続したことが国賠法1条1項の違法に当たるか(争点1) (原告の主張) タイ王室の恩赦は令和2年8月15日に発効しているため、原告の刑期は遅 くとも同日をもって満了していたことが明らかである。したがって、甲府刑務 所長が原告に対して法律上の根拠もなく受刑者として身体拘束を継続したこ とは明らかであるから、同所長の行為は、国賠法1条1項の違法行為に該当す る。 (被告の主張) ア タイにおいては、恩赦発効と同時にそれが対象者らに一括適用されるわけ ではなく、裁判所又は首相において、個別に、同恩赦の適用対象者であるこ と及び刑の減軽内容が確認され、その旨が記載された令状又は命令を発する 手続を経て初めて、同恩赦が当該対象者に個別適用されるところ、令和2年 の恩赦(以下「本件恩赦」という。)が原告に適用されること及びその結果と して原告の刑期終了日が同年4月22日になることが裁判所において確認 され、その旨が記載された令状(以下「本件令状」という。)が発布されたの は、同年12月18日のことである。 イ 恩赦等については、移送国であるタイのみが特赦、大赦又は刑の減刑を認 めることについて専属的な管轄権を保持し、タイが恩赦等を実施した場合に は、その旨を外交上の経路を通じて受入国に通報することとされていること から、受入国である被告としては、タイから恩赦に係る決定の通報を受けて 初めて、共助刑の種類及び期間を変更することが可能になる。しかし、被告 の法務省がタイから外交上の経路を通じた通報を受けたのは、その変更後の 刑期終了日である令和2年4月22日から1年以上(本件令状発布日からも 130日以上)経過した令和3年4月30日であり、それ以前には通報を受 けていなかった。タイでは、本件令状によって原告の刑期終了日が令和2年 4月22日に変更されていても、被告の法務省においては、本件恩赦が適用 された結果、原告の刑期が「令和2年4月22日」までに短縮された旨が記 載された口上書(以下「本件口上書」という。)の写しを受領した令和3年4 月30日まで、原告の刑期終了日を変
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、44万円及びこれに対する令和3年4月6日から支払済 みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを25分し、その2を被告の負担とし、その余を原告の負担 とする。 4 この判決は、第1項に限り、本判決が被告に送達された日から14日を経過し たときは、仮に執行することができる。ただし、被告が35万円の担保を供する ときは、その仮執行を免れることができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。