事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪地方裁判所 第24民事部 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ワ)13526 |
| 判決日 | 2026-07-02 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法197条1項、刑事訴訟法199条1項、国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 本件における争点は、国家賠償法上の違法性及び過失の有無(争点⑴)、損害 の有無及びその額(争点⑵)の2点であるところ、これらの争点に対する当事者 の主張の概要は次のとおりである。 ⑴ 国家賠償法上の違法性及び過失の有無(争点⑴) ア 原告の主張 A警察官は、原告に対し、その両肩をつかんで仰向けに投げ倒し、上から 押さえつけ、その後、原告を公務執行妨害罪の被疑事実で現行犯逮捕するま で、15分以上にわたって原告の動きを制圧し、その間、原告は、何度もA 警察官を振りほどこうとしたが、A警察官の制圧の力はすさまじく、身動き が取れなかった。 A警察官による本件行為は、逮捕の要件を満たしていないにもかかわらず、 実質逮捕行為に及んだ違法なものである。 警察官は、逮捕に際しては、その要件を充足することは当然ながら、不必 要な有形力を行使してはならない注意義務を負っているところ、A警察官に は、この注意義務に反した過失がある。 イ 被告の主張 職務質問における制止行為(有形力の行使)の適法性については、制止行 為をしなければならない急迫性、必要性、緊急性が認められ、有形力の行使 の程度に相当性があれば適法である。 A警察官が原告を制止したのは、原告らが、盗難手配がされているナンバ ープレートが装着された本件車両に接近してこれを解錠したこと、職務質問 を実施するためA警察官が接近したところ、原告がA警察官の姿を認識する や逃走を開始し、その途中で所持していた手提げ鞄等を投棄したことなどか ら、原告に窃盗罪等の犯罪に関与している嫌疑が認められたからであり、緊 急逮捕の要件である「罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由」にきわめ て近い状態であり、逮捕の可能性があったが、A警察官は、原告の逮捕にま で踏み切らずに、嫌疑をより明白にするために職務質問をすることにした。 A警察官は、原告に対して職務質問を開始したが、原告が暴れたり、危険 物を取り出そうとする素振りをみせたり、証拠隠滅を図ろうとしたことから、 制止行為の急迫性、必要性、緊急性を認め、原告が力を緩めるとA警察官も 力を緩めるというように相当性を意識しながら必要最小限度の有形力行使 により制止していたものであり、A警察官の制止行為が実質逮捕行為といわ れるものではなく、違法と評価されるところはない。 ⑵ 損害及びその額(争点⑵) ア 原告の主張 (ア) 慰謝料 原告は、逮捕の要件を満たしていないにもかかわらず、雨の中長時間 にわたり身体を地面に押さえつけられて精神的苦痛を被り、また、原告 の着衣が泥まみれになり再度着用することが憚られる状態になったこと や、捜査機関が適切な証拠の保存を行わなかったことも踏まえて、40 0万円を慰謝料として認容すべきである。 (イ) 弁護士費用 本訴訟を
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、11万円及びこれに対する令和4年1月23日から支払 済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを100分し、その3を被告の負担とし、その余を原告の負 担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。