事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 宮崎支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和62(う)27 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点に関する判断」の項の「二 被告人の供述調書の 任意性、信用性について」において、具体的、詳細に説示するとおりであり、これ らの諸事情に鑑みると、右各供述調書の供述記載の信用性に疑問を抱く余地なく、 その信用性は高いものと認められる。 なお、所論は、被告人の供述記載中、被告人が被害者の手を押し上げて農薬を飲 ませたとの部分があり、右供述部分は、検察官から前記のとおり威迫され、恐怖心 がつのり、検察官の心証を良くするため信憑性のあるように虚偽の事実を述べたも のである、というのであるが、昭和六〇年九月二五日以降の被告人の一連の供述 が、検察官に対して迎合的になされたものでないことは、前記のとおりであるう え、原審証人A、当審証人Dの各証言及び関係証拠によれば、同月二五日、被告人 が検察官から取調べを受けた際、「(自分が農薬を)最初飲ませたところCさんは その後その農薬を全部飲みました。」(検察官に対する同月二五日付供述調書)と 述べ、当時、自殺を偽装するために農薬を死体に振りかけたとの心証を抱き、その 旨の追及をしていた検察官から、再度問いただされたものの、その態度をかえず、 詳細はD警部補に話させて欲しい旨申し入れていること、そして翌二六日、当時検 察官と同様の心証を抱いていたD警部補から、その旨の追及をされたが、被告人 は、「本当は、正座して手を合わせた後、おばさんは農薬を両手で持って飲むのを ちゅうちょしていました。それで、私はおばさんの左側に行っておばさんに、「も うおばさんちゅうちょしておるのは一緒だから」と言って、農薬を持っていたおば さんの両手を左手でおばさんの口元に押しつけるようにしてもっていったので す。」(司法警察員に対する同月二六日付供述調書)と具体的に供述しているもの であって、右事情に照らすと、右供述が検察官の心証を良くするため迎合的になさ れたものとはいえない。そして検察官に対する同年一〇月六日付供述調書(二一枚 綴)においても同旨の供述を維持しているうえ、原判決が説示するとおり、被告人 が被害者を連れ出して諸所を連れ回った経緯、七五〇万円の借金の返済を免れるた めには同女に死んでもらわなければならないと考えていたということとも整合し、 不自然な点はみられないことなどに鑑みると、右供述は十分信用できることが認め られる。 三 以上のとおり、原判決には所論指摘のような訴訟手続の法令違反はなく、論 旨は理由がない。 第二 弁護人の控訴趣意第二点(事実誤認及び法令適用の誤りの主張)及び被告 人の控訴趣意中、事実誤認の主張に関する部分について 所論は、要するに、強盗殺人の事実につき、「1」被告人が被害者から投資名下 に借り受けた六五〇万円を含む合計七五〇万円については返済のめどがあったもの であり、「2」同女に自殺するよう強制するために、
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中七〇〇日を原判決の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。