損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和4(ワ)30615
判決日2025-07-18
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法715条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
本件では、原告が主張する注意義務違反(争点⑵~⑷)が争われているだけでな
く、それらの前提となる亡Hが死亡するに至った機序も争われている(争点⑴)。
また、原告は説明義務違反も主張しており、これも争われている(争点⑸、⑹)。
⑴ 亡Hが死亡するに至った機序
⑵ 亡Hに胆道鏡検査の適応がなかったにもかかわらず、本件胆道鏡検査を実施
した注意義務違反の有無
⑶ 本件胆道鏡検査時に胆管径より大きいバルーンを使用すべきでなく、さらに
バルーンで過拡張すべきでなかったにもかかわらず、これらを行った注意義務違反
の有無
⑷ 本件ERCP検査後の精査義務違反の有無
⑸ 説明義務違反の有無
⑹ 説明義務違反と結果との間の因果関係の有無
⑺ 原告らの損害
3 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(亡Hが死亡するに至った機序)について
(原告らの主張)
亡Hは、本件胆道鏡検査時のバルーン拡張圧等により、膵内胆管に負担をかけ、
検査時間の長時間化もあいまって膵管閉塞性膵炎を発症させるとともに、乳頭部付
近の膵内胆管を損傷して穿孔(胆管の全層損傷)をもたらし(穿孔により胆管周囲
静脈が破れて出血が後腹膜に流れるとともに、胆管内の胆汁や造影剤が胆管の外側
に位置する後腹膜に漏出した。)、膵炎を急速に重症化させ、SIRS(全身性炎
症反応症候群)による急激な循環不全のため、死亡するに至った。
(被告らの反論)
否認する。亡Hに穿孔が生じたことはもとより胆管損傷が生じたともいえず、原
告の主張する機序は認められない。
[中略: 13ページ]
あり、その精神的苦痛を慰謝するには2500万円が相当である。
イ 逸失利益 合計2539万8954円
(ア) 給与所得 1738万6138円
証拠(甲C2の1)によれば、亡Hには、年1595万円の給与所得があること
が認められる。
亡Hは、死亡時72歳であったところ(前提事実⑴のイ)、給与所得を受け取れ
る期間は、労働可能期間を前提に算出すべきものであり、平均余命(約18年)の
2分の1である9年間と認める。
そして、亡Hの勤務先は夫が経営する会社であり(原告D本人)、給与所得のう
ち労務提供に対するものの範囲については、亡Hが主婦業にも従事していたことや
その年齢等を考慮し、2割と認める。
亡Hは、事業経営者である夫と同居する兼業主婦であり、生活費控除率を30パ
ーセントとするのが相当である。
以上をもとに、給与所得の逸失利益を算出すると、その額は1738万6138
円と認める。
(計算式)
1595万円×(1-0.3(生活費控除率))×0.2(労務提供の範囲)×
7.786(平均余命18年の2分の1である9年に対応するライプニッツ係数)
=1738万6138円
(イ) 老齢基礎年金 801万2816円
証拠(甲C2の1)によれば、亡Hには、

主文(判決文より)

1 被告らは、連帯して、原告Aに対し、3046万9
477円及びこれに対する令和3年2月19日から
支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支
払え。
2 被告らは、連帯して、原告Bに対し、802万98
69円及びこれに対する令和3年2月19日から支
払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払
え。
3 被告らは、連帯して、原告Cに対し、802万98
69円及びこれに対する令和3年2月19日から支
払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払
え。
4 被告らは、連帯して、原告Dに対し、802万98
69円及びこれに対する令和3年2月19日から支
払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払
え。
5 被告らは、連帯して、原告Eに対し、802万98
69円及び6637.42米国ドル並びにこれらに
対する令和3年2月19日から支払済みまで年3パ
ーセントの割合による金員を支払え。
6 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
7 訴訟費用は、これを4分し、その3を原告らの連帯負
担とし、その余を被告らの連帯負担とする。
8 この判決は、1項から5項までに限り、仮に執行する
ことができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。