費用返還決定処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和6(行ウ)84
判決日2025-11-27
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 原告が資力を有するに至った時期(争点1)
(2) 医療扶助の全額返還を命じることの適法性(争点2)
4 当事者の主張
(1) 争点1(原告が資力を有するに至った時期)について
(被告の主張)
ア 法63条の「資力」は、法4条1項にいう「利用し得る資産」と基本
的に同義であるところ、保護の補足性の原則等によれば、法63条の「資
力があるにもかかわらず、保護を受けたとき」に該当するためには、保
護の受給時において「利用し得る資産」を有していることを要し、現に
有する資力を直ちに活用できないことは、「資力」があることを否定する
理由にならない。保護の実施機関は、資力を有する者に対しても、その
者が資力を現実に活用できず、窮迫した事由がある場合に、必要な保護
をすることを妨げられないのであり(法4条3項)、法63条の「資力が
あるにもかかわらず、保護を受けたとき」とは、現実にその資力を利用
できる状態にあるか否かにかかわらず、資力を有するのに保護を受けた
ときを指すと解すべきである。
原告の主張に従った場合、保護受給中に現実に活用できる資産を有し
ていた者のみが保護費用の返還義務を負うこととなるが、このような帰
結は、保護の補足性の原則からみて、法が想定するところとはいい難い。
イ 遺留分減殺請求権は、遺留分権利者の行使をもって効果を生じるもの
であるが(平成30年法律第72号による改正前の民法1031条)、遺
留分を侵害する内容の遺言等が存在すれば、被相続人が死亡し、相続が
開始した時点からその権利を行使することができ(民法1042条後段)、
その行使により、相続開始時の財産を基準として遺留分が確定されるか
ら、遺留分減殺請求権の行使の結果発生する権利は、被相続人の死亡時
に発生するものと評価すべきである。
そうすると、遺留分減殺請求権の行使の結果発生する権利は、被相続
人の相続開始時において、法4条1項の「利用し得る資産」といえる程
度にその資産としての内容が客観化し、存在するに至っているものであ
るから、被保護者が有する遺留分減殺請求権についての法63条の資力
の発生時点は、その遺留分に係る相続の開始時となる。
(原告の主張)
ア 法は、1条において、単なる理念的な資産の有無ではなく、現実主義
的観点に立ち、現実の資産の有無と困窮状態に応じた保護を求めている
ため、資産がないのに、権利が存在するとの理由で現実の困窮を無視す
ることは許されない。したがって、法4条1項の「資産」及び法63条
の「資力」は、いずれも理念的なものではなく、現実に利用し得る資産
[中略: 8ページ]
保護の実施機関において、適切な返還額を定めることを可能とする趣旨に出
たものと解される。
そして、法63条に基づく返還額の決定に当たっては、被保護者の資産、
収入の状況、地域

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。