損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和6(ワ)18712
判決日2025-12-19
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
⑴ 争点1 被告がNHKに原告の機密情報を提供したことの違法性
[原告の主張]
ア 被告がNHKに原告の機密情報を提供したこと
被告は、令和3年12月頃から令和4年3月頃にかけて、原告の取引先で
25 ある医師の氏名、住所、電話番号等の個人情報を含む顧客管理シートや、原
告と医師との間の業務委託契約書及び受送金記録等の非公開情報(以下、こ
れらの情報を「原告の機密情報」ということがある。)を含む社内資料多数を
データベースから貸与されたパソコンにダウンロードした上、本件USBに
保存して社外に持ち出した。
本件取材依頼書に記載された情報は、被告が持ち出した社内資料と内容、
5 体裁が酷似していること、これらの情報は非公開のものであって外部からは
本来知り得ないものであること、被告による社内資料の持出しの時期とNH
Kの取材の時期は近接していることからすれば、被告が原告の機密情報をN
HKに提供したことは明らかである。
イ 公益通報等の違法性阻却事由に該当しないこと
10 被告がNHKに対し原告の機密情報を提供した動機は原告に対する嫌がら
せであるから、公益通報者保護法に規定する公益通報に該当せず、公益通報
以外の違法阻却事由にも該当しない。
また、被告が持ち出した社内資料には、公益通報とは無関係の医師の氏名、
住所、電話番号等の個人情報が含まれている。
15 [被告の主張]
ア 被告がNHKに対し原告の機密情報を提供していないこと
被告がNHKに対して原告の機密情報を提供したことは否認する。本件取
材依頼書に記載された情報は、NHKが独自の取材により捜査機関等から入
手したものと思われる。
20 イ 公益通報等の違法阻却事由に該当すること
被告は、原告が会社ぐるみで実施している本件動画提供や眼科医に対する
金銭支払は、業界が自主規制する不当な販促行為であり、公立病院に所属す
る医師に対する金銭支払は贈収賄罪にも該当すると考えた。
被告は、原告内部の会議において人事総務本部長に対し懸念を伝えたとこ
25 ろ、その後の会議に呼ばれなくなり、また、眼科医に対する金銭支払契約の
締結は原告の代表取締役が決裁している。したがって、本件は、法令違反の
実行または放置について証拠を保有している者や経営者の関与が強く推認さ
れる場合、社内の多数の者が法令違反行為に関与している場合に当たる。
そこで、被告は、原告の社内資料を本件USBにコピーした上で、弁護士
に依頼して、これを証拠として警視庁等の捜査機関に対し告発や情報提供を
5 行った。
上記アのとおり、被告は直接NHKに対して原告の機密情報を提供したこ
とはないが、仮に提供が認定されるとしても、原告の違法行為を是正する目
的であり、公益通報者保護法3条3号ロに定める外部通報又は正当行為に

主文(判決文より)

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。