不当利得返還等請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和7(行ウ)189
判決日2026-02-26
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法121条、民法545条2項、民法703条、民法704条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 争点1(被告が返還すべき利益の範囲)
(2) 争点2(原告が法律上の原因なく被告の区長としての活動によって利益を
受けたか否か)
5 争点に対する当事者の主張の要旨
(1) 争点1(被告が返還すべき利益の範囲)について
(被告の主張)
被告は、a区長の職にあった間、その地位に基づき給料等(地自法204
条の規定に基づき支給される給料及び手当をいう。以下同じ。)の支給を受け
ることの法律上の原因を欠くことを知らず、これについて悪意となったのは、
別件有罪判決が確定した令和6年6月14日であった。被告は、本件給料等
の受領につき善意であったから、民法703条又は同法121条の2第2項
の準用により、被告が返還すべき金額は残存利益が限度となる。
(原告の主張)
争う。原告は被告に対し、民法121条の2第1項に基づく原状回復請求
として、本件請求金の交付請求権を有している。
(2) 争点2(原告が法律上の原因なく被告の区長としての活動によって利益を
受けたか否か)について
(被告の主張)
被告は、区長に就任してから辞職するまでの間、区長としての業務をつつ
がなく行っており、原告は、被告がa区長の職務の遂行としてした行為を有
効と扱い、被告の行為による区政上の利益を享受している。原告が受けた利
益は、本件給料等の合計額を下回るものではない。
なお、原告の指摘する判例(最高裁令和4年(行ヒ)第317号同5年1
2月12日第三小法廷判決・民集77巻9号2229頁。以下「令和5年最
判」という。)は、地方議員に関する事案であり、被告が地方公共団体の長と
して職務を行った本件には射程が及ばない。地方公共団体の長は、地方公共
団体を統括し、これを代表し、執行機関として、地方公共団体の事務を自ら
の判断と責任において誠実に管理し執行する義務を負うから、その行為は、
地方公共団体の権利利益と直接的に結びついており、選挙における当選の無
効によっても、長であった期間に行った行為がなくなるものではなく、長と
しての活動が価値を失うものでもない。
(原告の主張)
令和5年最判の射程は地方公共団体の長にも及ぶから、公選法251条の
規定により遡って職を失った当選人が地方公共団体の長として活動を行って
いたとしても、それは当該地方公共団体との関係では価値を有さないものと
評価せざるを得ず、被告が原告に対してa区長として活動したことに基づく
不当利得返還請求権を有することはない。

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、1006万4979円及びこれに対する令和6年6月
15日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。