療養補償給付等不支給決定取消請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和6(行ウ)258
判決日2026-03-16
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、本件疾病の発症(本件事故)が原告の業務に起因するもので
あるか否か(業務起因性の有無)であり、この点に関する当事者の主張の要旨
は、以下のとおりである。
(原告の主張)
いわゆる終末期医療を担う緩和医療科の唯一の実働医師であるという原告の
業務の特徴に加え、原告の時間外労働時間数、連続勤務や拘束時間の長い勤務
等の状況からすれば、原告が従事していた業務の負荷は過重なものであり、業
務による過重な負荷が基礎疾患ないし素因を自然的経過を超えて増悪させ、本
件疾病を発症させたというべきである。
とりわけ、原告の労働時間の認定資料とすることについて当事者間に争いが
ない資料(デスクトップパソコンのシステムログ、ノートパソコンのシステム
ログ、電子カルテのアクセスログ、A棟の入退館記録、宿日直実績報告書、時
間外勤務等申請・報告・命令簿、PHSの通話記録。以下、これらの資料を併
せて「争いのない認定資料」という。)のほか、①imsドメインのメール送
信記録、②SMTP(送信)サーバへのアクセスログ、③POP(受信)サー
バへのアクセスログ、④ニフティメールの操作記録、⑤Googleドライブ
の操作記録、⑥原告が帰宅する際に原告の妻に送信したメールに基づいて原告
の労働時間を認定し、また、兼業先での労働時間や宿直業務の時間等を考慮す
ると、別紙1「当事者主張等一覧表」(日付はいずれも平成30年)の「時間
外労働時間数」「原告主張」「合計(被告は宿直中の患者対応時間を含む)」
欄記載のとおり、原告の時間外労働時間数は、本件疾病の発症前1か月目が2
25時間06分、発症前2か月目が213時間50分、発症前3か月目が18
2時間29分、発症前4か月目が252時間34分、発症前5か月目が227
時間50分、発症前6か月目が278時間12分といずれも月100時間を超
え、時間外労働時間数の平均をみても、発症前2か月間ないし発症前6か月間
でいずれも月200時間を超えていること、原告は、発症前の7日のうち3日
間は深夜0時前後まで勤務していたことからすれば、原告は、長期間の過重業
務に従事していたというべきである。
以上によれば、原告が本件疾病を発症したことについて、業務起因性が認め
られる。
[中略: 38ページ]
労働時間集計表( 9月9日 ~ 8月11日 )
(発症前3か月目)
労 働 時 間 1 日 の 1 日 の 総 労 働 時 間 外
(始業~終業) 拘束時間数 労働時間数 時 間 数 労働時間数
9 / 9 ( 日 ) 8:30 ~ 18:54 10:24 9:39 ① ⑥ = ① - 40
9 / 8 ( 土 ) 8:21 ~ 32:30 24:09 23:24
9 / 7 ( 金 ) 8:30 ~ 20:47 12:17 11:32
9 / 6 ( 

主文(判決文より)

1 三田労働基準監督署長が、令和2年10月13日付けで原告に対してした療
養補償給付の支給に関する処分を取り消す。
2 三田労働基準監督署長が、令和5年6月16日付けで原告に対してした休業
補償給付の支給に関する処分を取り消す。
3 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。