事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(ワ)70548等 |
| 判決日 | 2026-03-25 |
| 分類 | 民事 / 著作 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 会社法429条1項、民法709条、著作権法15条1項、著作権法19条3項、著作権法65条1項、著作権法114条3項 |
| 当事者 | 原告 株式会社ハースト婦人画報社/原告 株式会社ハースト・デジタル・ジャパン/被告 株式会社kimitanhouse |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 ⑴ 本件動画の著作者及び著作権者(争点1) ⑵ 著作者人格権侵害の成否(争点2) ⑶ 会社法429条1項に基づく責任の成否(争点3) ⑷ 原告らの損害の発生及びその額(争点4) 4 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点1(本件動画の著作者及び著作権者)について (原告らの主張) ア 本件動画は、原告ハースト婦人画報社の完全子会社である原告ハースト・ デジタル・ジャパンの発意に基づき、その業務に従事する同原告の従業員及 び同原告から業務委託を受けたフリーランスの制作者によって職務上作成さ れた著作物であり、同原告の著作の名義の下に公表されるものであった。本 件動画の著作者について契約等に別段の定めはなかった。 したがって、著作権法15条1項により、本件動画の著作者は同原告であ る。 イ 原告ハースト・デジタル・ジャパンは、令和2年4月1日付け業務委託契 約に基づき、原告ハースト婦人画報社に対し、本件映像の著作権を譲渡した。 (被告らの主張) ア 本件動画が原告ハースト・デジタル・ジャパンの発意に基づき作成された 著作物であること、本件動画の著作者について契約等に別段の定めがなかっ たことは不知。その余は否認ないし争う。 同原告の従業員について法人等の業務に従事する者が職務上作成したもの であるとしても、フリーランスの制作者については、法人等の業務に従事す る者が職務上作成したとはいえないから、本件動画は少なくとも同原告とフ リーランスの制作者との共同著作物である。また、本件動画が配信された際 には、同原告の名称は表示されていないから、「法人等が自己の著作の名義の 下に公表するもの」とはいえない。 イ 著作権譲渡については不知。上記アのとおり、本件動画は少なくともフリ ーランス制作者との共同著作物であるから、原告ハースト・デジタル・ジャ パンは、他の共有者の同意を得ることなく、著作権の共有持分を譲渡するこ とはできない(著作権法65条1項)から、本件映像の著作権は原告ハース ト婦人画報社に移転していない。 ⑵ 争点2(著作者人格権侵害の成否)について (原告ハースト・デジタル・ジャパンの主張) ア 被告会社は、本件動画に、原告ハースト・デジタル・ジャパンの意に反す る改変を加えて被告動画を制作したものであり、これにより、同原告の同一 性保持権を侵害した。 イ 被告会社は、無断で本件投稿を行っており、原告ハースト・デジタル・ジ ャパンが、通常他社による二次使用を許諾する際の条件とする氏名表示の指 定に従った氏名表示がされていないから、氏名表示権を侵害された。 著作権法19条3項の場合に当たることは争う。 (被告らの主張) ア 本件動画でも「国の自給自足」というテーマは扱われており、被告動画に つき、著作者の意に反して本件動画の創作的表現の同一性を損なわせる改変
主文(判決文より)
1 被告会社は、原告ハースト婦人画報社に対し、110万円及びこ れに対する令和6年4月24日から支払済みまで年3パーセント の割合による金員(ただし、110万円及びこれに対する令和6 年12月27日から支払済みまで年3パーセントの割合による金 員の限度で被告Aと連帯して)を支払え。 2 被告Aは、原告ハースト婦人画報社に対し、被告会社と連帯し て、110万円及びこれに対する令和6年12月27日から支払 済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 3 被告会社は、原告ハースト・デジタル・ジャパンに対し、55万 円及びこれに対する令和6年4月24日から支払済みまで年3パ ーセントの割合による金員(ただし、55万円及びこれに対する 令和7年6月11日から支払済みまで年3パーセントの割合によ る金員の限度で被告Aと連帯して)を支払え。 4 被告Aは、原告ハースト・デジタル・ジャパンに対し、被告会社 と連帯して、55万円及びこれに対する令和7年6月11日から 支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 5 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 6 訴訟費用は、原告ハースト婦人画報社に生じた費用の5分の3及 び被告らに生じた費用の2分の1を原告ハースト婦人画報社の負 担とし、その余は被告らの負担とする。 7 この判決は、第1項ないし第4項に限り、仮に執行することがで きる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。