贈賄

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和5刑(わ)2478
判決日2026-04-16
分類民事

この事件の代理人

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争点(判決文より)

争点
本件送金は、令和2年度(2020年度)に D と A 株式会社との間で締結された
臨床使用報告委嘱契約(以下「本件契約」という。)に基づくものとして支払われて
いるところ、検察官は、本件契約には医療機器等の市販後調査(以下「PMS」(Post
Marketing Surveillance の略)ともいう。)としての実態がなく、本件送金は、専
ら、A 株式会社が販売する胆管用ステントをより多く使用するなどの有利かつ便宜
な取り計らいをしたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとい
う趣旨に基づいて支払われた賄賂である、そのことを D も被告人も認識していたた
め、D には収賄罪が成立し、被告人には贈賄罪が成立すると主張する。
これに対し、弁護人は、本件送金について、そもそも賄賂ではないことや、D に
は、収賄の故意がなく、贈賄罪において必要的共犯とされる収賄罪が成立しないこ
とから、被告人に贈賄罪は成立しないと主張する。
3 争点に対する当裁判所の結論
(1) まず、被告人ら A 株式会社側としては、専ら、A 株式会社が販売する胆
管用ステントをより多く使用するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対
する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいという趣旨、すなわち、賄賂の趣
旨で本件送金を行ったと認められる。
(2) 次に、本件契約は平成31年度(2019年度)から締結された臨床使
用報告委嘱契約(以下「2019年度契約」という。)を踏襲するものであるところ、
2019年度契約については、当初は A 株式会社側にも調査結果を利用する意思が
あったことは否定できず、D においては、その意思があるとの認識の下で実際に調
査をしてその結果を A 株式会社側に報告していたと評価できる。そして、A 株式会
社側は、結局2019年度の調査結果を利用することはなく、専ら販売促進目的で
本件契約を締結することとしたと認められるが、本件送金に至るまで、D において、
本件送金が賄賂であるとの認識(未必的なものも含む。)があったとは認められない
から、収賄罪は成立しない。
(3) そうすると、被告人に、収賄罪の必要的共犯である贈賄罪の成立を認め
ることはできない。
(4) さらに、本件では、D において本件送金が賄賂であると認識しうる客観
的な状況があったとは認められず、A 株式会社側が D に対して賄賂の趣旨を明示又
は黙示に意思表示して本件送金を行ったとは評価できないから、被告人には賄賂供
与申込罪も成立しない。
第2 上記判断理由
1 証拠により認められる前提事実
(1) A 株式会社について(甲1、36、47、74等)
A 株式会社は、医療機器、医薬部外品及び医薬品の製造及び販売等を営む株式会
社であり、胆管用ステントである I や J 等の製品

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

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