損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所 立川支部
事件番号令和6(ワ)4388
判決日2026-04-23
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件専決処分の瑕疵の治癒の有無(争点1)
(2) 本件廃園条例の効力(争点2)
(3) 本件廃園条例に基づく募集事務の違法性の有無(争点3)
(4) 損害の発生及びその数額(争点4)
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(本件専決処分の瑕疵の治癒の有無について)
ア 被告
専決処分に瑕疵があった場合でも、後に議会が、承認議決あるいは追認
議決等、専決の内容を認める趣旨の議決をすれば、瑕疵は治癒される。
市議会は、本件専決処分の対象であった本件廃園条例を廃止することを
内容とする本件廃園条例廃止条例を否決することにより、実質的には、本
件廃園条例の制定を是とする議決をしている。このことは、本件廃園条例
廃止条例の審議において、議員から、 (本件廃園条例については)採決が
あれば賛成するつもりでした」 (本件廃園条例については)決め方はよく
なかったかもしれないけども、内容としては是としているわけである」等
の発言があったことに照らし、明らかである。
この本件廃園条例の制定を是とする議会の意思は、その後、令和5年3
月28日、公立保育園を存続すること等を求める趣旨の陳情書を不採択と
していること、令和6年11月28日、前訴判決を受けて提出された本件
保育園の募集再開を求める陳情書を不採択としていること、令和7年9月
25日、本件保育園の閉園に向けて、募集定員を段階的に縮小する本件新
条例案が可決され、同年10月1日には、同条例が施行されたこと等に照
らしても一貫している。
以上に照らせば、市議会は、その前提となる本件専決処分を実質的には
承認、追認したということができ、本件専決処分の瑕疵は治癒されている。
イ 原告ら
本件専決処分は、市議会による承認がされておらず、承認による瑕疵の
治癒は生じない。その後の、本件廃園条例廃止条例の否決によって本件専
決処分の瑕疵が治癒されるかについては、否決という議決は積極的な議会
としての意思表示を示すものではないことから、本件廃園条例と実質的に
異ならない条例を再度議決し直したような場合と異なり、原則として、こ
れによる瑕疵の治癒を認めるべきではない。本件議決の審議の実態として、
明らかに市議会による追認の意思表示が認められるといえるような特段の
事情がある場合に、瑕疵の治癒を認める余地があるに過ぎないというべき
である。
本件廃園条例は、その前提となる専決処分について、地方自治法上の要
件を欠いていたのであるから、議決を欠く条例制定行為ということになる。
本件廃園条例は、地方自治法が特に条例の制定を求めたきわめて重要なも
のであり(同法244条の2)、本来何らの効力も有さないとされる 否決」
によって、その瑕疵が治癒されたとすべきではない。
[中略: 13ページ]
(別紙1掲載省略)
(別紙2)
関係

主文(判決文より)

1 第1事件原告ら及び第2事件原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は第1事件原告ら及び第2事件原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。