執行停止の申立て

事件の基本情報

裁判所仙台地方裁判所
事件番号令和8(行ク)2
判決日2026-03-02
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件申立てについて適法な本案訴訟の係属を欠くか。
⑵ 本件処分により生ずる「重大な損害を避けるため緊急の必要」(行訴法25
条2項本文)があるか。
⑶ 本件が「本案について理由がないとみえるとき」(行訴法25条4項)に該
当するか。
4 当事者の主張
⑴ 争点⑴について
ア 申立人の主張
申立人は、宮城県知事に対する審査請求をすることなく、本案訴訟を提起
したが、本件処分により、生活保護法による保護を受けることができず、最
低限度の生活水準を下回る生活を強いられており、審査請求前置主義の例外
を定めた行訴法8条2項2号の「著しい損害を避けるため緊急の必要がある
とき」に該当するため、本件申立てについて、適法な本案訴訟の係属を欠く
ものではない。同号の要件と行訴法25条2項の「重大な損害を避けるため
必要がある」という要件は類似するものであるし、審査請求前置主義が強調
されれば国民の権利救済が後退するのであるから、その例外についての解釈
適用は、裁判を受ける権利を制限しない方向でされるべきである。
イ 相手方の主張
申立人の本件処分に対する取消訴訟(本案訴訟)は、審査請求を前置して
おらず、不適法である。生活保護法69条は審査請求前置主義を規定してお
り、申立人は、審査請求をした上で、審査庁に執行停止の申立てをすること
が可能であったから、行訴法8条2項2号の「著しい損害を避けるため緊急
の必要があるとき」には該当しない。
⑴ 争点⑵について
ア 申立人の主張
申立人の世帯は、生活費の大部分を相手方から受給する生活保護費に依
存しており、保護が停止されると、申立人及び3人の子らの生存が脅かされ
る。申立人が勤務している会社の給与収入を、シフトを増やすなどして増額
できるか否かは不確定なところが多く、申立人に預貯金はほぼないため、保
護が停止されると、固定経費を控除した月約5万円の食費すら捻出できない。
そのため、申立人には、本件処分による「重大な損害を避けるため緊急の必
要」がある。
イ 相手方の主張
申立人には、給与収入並びに児童手当及び児童扶養手当による収入がある
ほか、給与収入に関しては増額できない状況ではないことから、本件処分が
されても、本件処分による「重大な損害を避けるための緊急の必要性」があ
るとはいえない。
⑶ 争点⑶について
ア 相手方の主張
相手方は、申立人に対して法律に従って適法に手続を進めており、申立人
は、いわゆる過疎地域とはいえない仙台市内に居住し、勤務していることか
ら、自動車の保有の要件を満たさないことは明らかである。そのため、本件
処分について、裁量権の範囲の逸脱又は濫用がないことは明らかである。
イ 申立人の主張
生活保護受給者の保有する通勤用自動車の扱いにつき、昭和38年4月1
日付け社保第34号厚生省社会局保護

主文(判決文より)

1 処分行政庁が令和7年12月23日付けで申立人に対してした保護
停止処分は、本案事件の第1審判決言渡し後60日が経過する日まで
その効力を停止する。
2 申立費用は相手方の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。