売買代金等請求事件

事件の基本情報

裁判所長野地方裁判所
事件番号令和3(ワ)149
判決日2024-02-09
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件3万着の売買契約の成否(争点1・主位的請求関係)
⑵ 被告の契約締結上の過失の有無(争点2・予備的請求関係)
⑶ 原告の損害(争点3・予備的請求関係)
⑷ 過失相殺(争点4・予備的請求関係)
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 本件3万着の売買契約の成否(争点1)
【原告の主張】
被告は、原告に対し、令和2年4月28日、健康福祉部1万着及び危機管
理部8万着の防護服を1着4500円で発注し、原告は、これを受注した。
この時点で、売買契約の目的物とその価格は明確に定まっており、これによ
り、原告と被告は、本件3万着を含む9万着の防護服に係る売買契約を締結
し、このとき又は遅くとも本件書面が提出されたときに契約が成立した。
なお、同契約は、新型コロナウイルス感染症対策として緊急で進められた
ものであり、公印が必要な手続は後回しにされたものである。
【被告の主張】
- 4 -
本件3万着に係る売買契約の成立は否認する。
令和2年4月28日の時点では、被告が危機管理部として8万着の購入を
検討する旨伝えたにすぎず、この時点で売買契約が締結されたとは解されな
い。また、被告が随意契約を締結するには、関係法令上、所定の手続を履践
することが必須であるが、本件3万着について、そのような手続はされてお
らず、口頭又は本件書面により売買契約が成立したとはいえない。
⑵ 被告の契約締結上の過失の有無(争点2)
【原告の主張】
被告は、本件3万着を含む9万着について、新型コロナウイルス感染症対
策という緊急かつ高度な必要性が認められる状況の下、原告に対し、令和2
年4月のA副知事らとの面談の際には、知事からあらゆる手段で防護服を集
めるよう指示が出ている、健康福祉部の1万着は同年5月半ばまでに欲しい
などと申し向け、また、原告が中国企業への送金までに契約書面の提出を求
めたのに対し、同月1日には「購入させていただく9万着のうちの1万着分」
であることを示して健康福祉部1万着分に関する書面を、同月8日には8万
着の購入を前提に契約書等を準備している旨記載した本件書面を、それぞれ
送付するなどして、売買契約の締結は確実であると認識させた。そして、原
告が、これらを信頼して中国企業に多額の代金を送金し、防護服を輸入した
にもかかわらず、被告は、そのことを認識しつつ、輸入を急がせ、公印が必
要な手続を後回しにせざるを得ない状況を作出しておきながら、一括で特定
業者と契約すると監査で問題にされるなどの専ら被告側の一方的な都合で契
約を取りやめたのであって、契約締結準備段階における信義則上の義務に反
しており、これによって生じた原告の損害を賠償すべきである。
【被告の主張】
争う。緊急事態における迅速かつ柔軟な対応が必要とされ、通常の売買契
約に比して、より障壁や事情変更があり得

主文(判決文より)

1 原告の主位的請求を棄却する。
2 被告は、原告に対し、6717万0927円及びこれに対する令和3年11
月12日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
3 原告のその余の予備的請求を棄却する。
4 訴訟費用は、これを2分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担
とする。
5 この判決は、2項に限り、仮に執行することができる。ただし、被告が70
00万円の担保を提供するときは、その仮執行を免れることができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。