国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所長崎地方裁判所
事件番号平成29(ワ)42
判決日2022-12-12
分類行政
判決文が挙げた条文憲法13条、憲法14条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 被爆二世に対する立法不作為の違憲性(憲法13条、14条1項違反)
⑵ 国賠法1条1項の違法性
⑶ 損害
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(被爆二世に対する立法不作為の違憲性)
(原告らの主張)
ア 立法上の作為義務を基礎付ける事情
被爆者援護法との関係
被爆者援護法は、社会保障法としての性質を有するとともに、国家補
償的配慮を制度の根底とする法律であり(最高裁判所昭和53年3月3
0日第一小法廷判決・民集32巻2号435頁〔以下「昭和53年判決」
という。〕、最高裁判所平成29年12月18日第一小法廷判決・民集
71巻10号2364頁参照)、被爆者の意義について、同法1条3号
の「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」
とは、「原爆の放射能により健康被害が生ずることを否定することがで
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きない事情の下に置かれていた者」をいうと解するのが相当である(広
島高裁令和3年7月14日判決参照)。
国家補償的側面を有する上記被爆者援護法の趣旨に鑑みれば、後記
のとおり被爆二世への放射線の遺伝的(継世代)影響を否定することが
できない以上は、被爆二世についても援護の対象とすべきであり、上記
遺伝的(継世代)影響を否定することができないことは、被爆二世に対
する援護についての被告の立法義務を基礎付けるものといえる。
放射線被害の遺伝的(継世代)影響
a 原爆の放射線が被爆二世の身体に影響を及ぼす機序
原爆の放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線、中性子線といっ
た電離放射線)が物質に対する電離(原子や分子から電子が分かれ出
ること)や励起(原子をエネルギーの高い状態に変化させること)と
いう作用を通じて被爆者の細胞のうち生殖細胞(精原細胞及び精子、
卵原細胞及び卵子)のDNAを損傷又は変異させ、DNAの修復機構
等によっても修復又は除去しきれないものが残る。そして、被爆者で
ある母親又は父親のそのような変異等を有する生殖細胞のDNAから
複製されたDNAを有する被爆二世の身体の機能等に影響が出る。
b 動物実験による遺伝的影響
マラーによるショウジョウバエの実験によって放射線による生物へ
の遺伝的(継世代)影響が明らかになった。また、ヒトと同じ哺乳動
物であるマウスを用いた実験(ラッセルらによるメガ・マウス実験、
野村大成によるマウス実験等)において、(突然)変異の誘発や出生
後の腫瘍発症等の多因子疾患の誘発(腫瘍になり易い変異の誘発)と
いった放射線被曝による遺伝的(継世代)影響が証明された。マウス
の遺伝子は、ヒトの遺伝子とほぼ同じ数で、配列も非常によく似てい
るから、マウスで証明されたものはヒトにも生じることを推測させる。
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そのことは、人の放射線防護における基準(国際放射線防護委員会
〔ICRP〕や原子

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。