事件の基本情報
| 裁判所 | 山口地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)196 |
| 判決日 | 2025-09-10 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法21条、刑法25条、刑法25条1項、刑法43条、刑法68条3号、刑法199条、刑法203条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①殺意の有無、すなわち、被告人が両手で被害者の首を絞め付けた行為 が、人を死亡させる危険性が高い行為であり、被告人がそのような行為であるとわかって 行ったといえるか(争点1)及び②被告人に自首が成立するか(争点2)である。 1 争点1(殺意の有無)について ⑴ 関係証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア 被告人は、仰向けに寝ている被害者の首を両手で絞め付けた。本件当時、被告人 は39歳で、身長約172cm、体重約80kg、被害者は8歳で、身長約126cm、 首回りは約27cmであった。 イ 被告人が被害者の首を絞め続けていると、被害者の顔が赤くなり、鼻血が出て、 失禁をした。犯行から約15分後の被害者は頻脈及び高血圧の状態であった。 ウ 本件犯行から約9時間後の被害者の身体には、顔面や両耳付近の皮膚溢血、右目 下部の皮下出血、左眼球の充血等が認められた。また、本件犯行から6日後の被害者にも、 両眼球結膜の充血及び右目下部の皮下出血がみられた。 ⑵ 法医学者であるA証人は、当公判廷において、被害者にみられる前記⑴イ及びウの 各所見は、被害者が首を絞められ、血管や気道が閉塞されたことにより窒息死に至る過程 として表れたものであって、このことに本件犯行から約9時間後の被害者の頸部に被告人 が首を絞めた際の指の跡が認められること等も併せて考えると、被告人は、数秒といった 短い時間ではなく、少なくとも一、二分は強い力で被害者の首を絞めていたと考えられる などと供述する。かかる供述は、法医学者としての知識や経験を踏まえた合理的なもので あり、十分に信用できる。 ⑶ このように、相手方の首を両手で1分間以上にわたって強く絞め付けることは、そ の者を窒息死に至らせる危険性のある行為といえる。これに加え、本件の被害者は8歳と 成長途上で、筋肉の発達等が不十分であり、首回りも短いため、成人よりも首が絞まりや すい状態にあったといえること、被害者と被告人との体格差が非常に大きかったこと、現 に被害者に窒息死に至る兆候としての身体的変化がみられていたこと等も併せ考えれば、 被告人の行為は、被害者を死亡させる危険性が高いものであったといえる。 この点、弁護人は、被告人の行為によっても、後頸部にある椎骨動脈までは絞まってい なかったこと、犯行当時、被告人の左手は被害者の首の付け根あたりにあり、力がかかり にくい状態であったこと、首を絞めることで反射的な心停止が起こることがありうるが、 本件ではそのような状況が生じる可能性は低かったこと等からすると、被告人の行為は被 害者を死亡させる危険性が高いとまではいえないなどと主張する。しかしながら、両手で 首を絞めることによって椎骨動脈以外の首の血管や気道を閉塞させ、窒息死に至らせるこ とは可能であり、現に被害者に窒息死に至る兆
主文(判決文より)
被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中140日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予し、その猶予の期間中 被告人を保護観察に付する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。