強盗殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所鹿児島地方裁判所
事件番号平成23(わ)125
判決日2012-03-19
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
第1及び第2の各犯行は,被告人が,妻のCと2人で居住していたaアパート
b号室(以下,単に「本件アパート」という。)の家賃等(以下,単に「家賃」
という。)を4か月分滞納し,大家のAから支払わなければ退去するよう強く迫
られている最中にAを殺害し,さらに,口封じのためにAの妻Bを殺害したとい
うものである。
犯行の客観的経過が上記犯行に至る経緯等及び上記犯罪事実第1及び第2記載
のとおりであることについては,証拠上優に認められ,当事者間に争いもない。
主たる争点は,第1の犯行において,被告人に,滞納家賃を支払わないまま本件
アパートに居住し続ける利益を得るという,強盗の目的があったか否かである。
2 A殺害の動機(事実認定)
 当事者の主張等
検察官は,被告人には,退去を迫るAを殺害することにより,その後数日間,
Cをそのまま本件アパートに居住させ続けるという目的があったと主張する。
これに対し,弁護人は,被告人にそのような目的はなく,Aが被告人の謝罪を
受け入れずに,なおも退去を迫ってきたので激高し,とっさに殺意を生じたに
過ぎないと主張する。
 自白調書以外の証拠に基づく検討
そこで,まず,当時の被告人とCの置かれた状況や,A及び被告人の行動等
の客観的な事実から,検察官主張の目的が認められるか検討する。
ア 被告人の経済状況等
犯行に至る経緯等で認定したとおり,本件犯行当時,被告人夫婦は無職無
収入で,所持金も預金を含めてほとんどなく,車上生活をする車もない状態
だったのであるから,本件当日,被告人は,何とかしてAからの支払督促と
退去要求を免れたいと考える状況にあったといえる。
イ ペティナイフを持ち出した理由
被告人は,当公判廷において,ナイフ2本を手に取ったのは無意識だった
と述べるが,家賃ノートと同じ場所に置いてあった果物ナイフに加え,わざ
わざ流し台の扉を開けてペティナイフまで取り出しているから,これらを無
意識に持ち出したとはおよそ認め難い。被告人は,何とかしてAからの支払
督促と退去要求を免れたいと考え,家賃ノートを取りに戻っているのである
から,ナイフ2本を持ち出したのも,同様の理由から意識的に持ち出したと
認められる。
もっとも,被告人が,自宅に家賃ノートを取りに戻ったのは,「いつから
払っとらんのか。」というAの言葉尻を捉えて,とりあえず支払状況が記載
された家賃ノートを見せればやり過ごせるのではないかと思ったからであり,
A方に戻った後も,まずは持参した家賃ノートを見せて平謝りを続けている。
そうすると,A方に戻った時点の被告人は,あくまでも,まずは謝ることで
穏便にやり過ごそうと考えており,ナイフは万が一そうならなかった場合に
備えて持ち出したにすぎないと認められる。したがって,ナイフを持ち出し
た段階では,ナイフの具

主文(判決文より)

被告人を無期懲役に処する。
未決勾留日数中140日をその刑に算入する。
押収してあるペティナイフ1本(平成24年押第3号符号1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。