国家賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所宇都宮地方裁判所
事件番号令和6(ワ)57
判決日2025-11-05
分類行政
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
(1) 本件措置変更の違法性(争点1)
(原告らの主張)
深刻な愛着形成の問題を抱えているCの福祉の観点からは、できるだけ里
親委託措置が継続できることが望ましく、措置の変更や解除は、多角的な面
からアセスメントを丁寧に行った上で、里親委託措置を継続してはCの福祉
が害されることが明らかである場合に行われるべきであり、本件措置変更の
国家賠償法上の違法性の判断においては、これまでの里親子関係、Cの問題
行動に対する対応、本件児童相談所からの支援の有無、養育関係の変化など
を考慮すべきである。
ア 本件措置変更がCの福祉を害すること
一般に、愛着の問題を抱える児童が愛着の対象との分離を余儀なくされ
る場合、当該児童は脱愛着の状況に陥り、将来的に対人関係がうまく構築
できなくなり、性非行に走ったり、精神疾患を発症したりすることがあ
る。そのため、愛着の問題を抱える児童と愛着対象たるキーパーソンとの
分離は慎重に判断すべきであり、当該児童が脱愛着に陥る可能性があるこ
とを考慮してもなお当該里親に養育の委託を継続してしまうと当該児童の
福祉が害されることが明らかである場合に限り里親委託からの措置変更の
判断がされるべきである。
Cは、愛着の問題を抱えており、原告ら、特に原告Bとの間で愛着関係
が構築されている途中であったため、引き続き原告らに監護養育されるこ
とがCの福祉に最もかなっていたのであり、Cと原告らを分離すべきとい
えるほどの事情はなかった。
確かに、Cの一時保護のきっかけになった本件暴行は身体的虐待に該当
するものの、原告らがCに対して身体的虐待をしたのは本件暴行が初めて
であり、本件暴行の程度も比較的軽微であって、原告Aが本件暴行後すぐ
にCに謝罪し、真摯に反省していること、原告らが虐待をしてしまった親
向けの民間のプログラムを受講していることなどからすると、本件暴行の
ような事態が再発する可能性は低かったといえる。また、原告らは、Cの
特性について無理解だったわけではなく、原告Bの疲労が過度になってい
ない時には、Cの問題行動に適切に対処できていたのであるから、適切な
里親支援がされていれば原告らがCの問題行動に適切に対処することが期
待できる状況であった。
したがって、原告らが引き続きCを養育するのがCの福祉にかなうもの
であり、Cと原告らとを分離することはかえってCの福祉を害するもので
あるから、本件措置変更は違法である。
イ 本件児童相談所の原告らに対する支援が不足していたこと
児童相談所には、児童福祉法上、養育困難の兆候が見られた里親に対し
てレスパイトや一時保護を積極的に促すという支援を行う義務がある。厚
生労働省が策定した里親ガイドラインによれば、児童相談所がこうした適
切な里親支援を行ってもなお解決が見

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。