遺言無効確認請求事件

事件の基本情報

裁判所和歌山地方裁判所
事件番号令和2(ワ)161
判決日2024-06-21
分類民事
判決文が挙げた条文民法968条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、本件遺言の民法968条1項の要件充足性(Aが、本件遺言
の全文、日付及び氏名を自署し、押印をしたか)であり、これに関する当事者
の主張は、次のとおりである。
被告及び被告補助参加人の主張
ア 本件遺言書は、A名義の署名があり、Aの実印が押されている(前提事実
⑵ア)。
上記のA名義の署名は、その特徴がAの自署と一致しているし、筆跡鑑定
の結果(丙150~153)からも、上記自署がAによりされたことが裏付
けられ、透写等によってA以外の者によってされた可能性はない。
また、Aの実印や印鑑登録証明書は、Aの指示又は承認によってのみ使用
され、A以外の者が無断で使用する可能性はなく、本件印鑑登録証明書は、
本件遺言書作成日前日(平成25年2月7日)に、Aの指示及び費用負担に
より発行された上で本件遺言書と一体となっていた。本件金色封筒が本件遺
言書作成日である平成25年2月当時に株式会社Mで使用されていないこ
と及びC取締役がAから頻繁に送付される郵便物と一緒に開封後の本件遺
言書をビニール袋に入れて保管していたことからすると、本件遺言書を封入
していた封筒は本件金色封筒ではなかった可能性があるとも考えられるが、
本件遺言書の検認の際に本件遺言書を封入していた封筒として本件金色封
筒が確認されたことは、本件遺言書の成立の真正を覆す事情にはならない。
したがって、本件遺言書は、Aによる署名と押印によって、民訴法228
条4項の規定から、内容全体がAの意思に基づき真正に成立したことになる
から、民法968条1項の要件を充足するといえる。
イ また、次のとおりの事情から、Aが、本件遺言書の全文、日付及び氏名を
自署し、自署の末尾に押印をしたといえる。
本件遺言書の筆跡と押印
本件遺言書の署名・押印がAによってされたことは、前記アのとおりで
ある。署名以外の部分も、筆跡鑑定(丙150~153)によれば、Aの
自署であり、透写等によってA以外の者によってされた可能性はなく、C
取締役やD従業員の筆跡とも一致しないとされている。C取締役やD従業
員が本件遺言書を偽造することによって得る利益はなく、本件遺言書につ
き偽造を行う動機もない。
本件遺言書の体裁等
本件遺言書は、Aが仕事上でも日常生活でも常に好んで使用していた赤
色サインペンで記載されており(前提事実⑵ア)、このことは、本件遺言書
にAの嗜好が表れたといえる。また、本件遺言書は、白色無地の紙(前提
事実⑵ア)で罫線等がなかったが、そこに記載された文字列に乱れ等がな
く、丁寧かつまっすぐに筆記されており、このような字体等は、Aが筆記
する特徴である。
本件遺言書の方式として自筆証書を選択することは、立会証人などから
本件遺言の内容が漏れるリスクを避けることができたという点で合理性
がある。
本件遺言の内容

主文(判決文より)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用のうち、原告ら補助参加人の参加によって生じた費用は原告ら補助参
加人の負担とし、その余(被告補助参加人の参加によって生じた費用を含む。)は
原告らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。