事件の基本情報
| 裁判所 | 水戸地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)57 |
| 判決日 | 2025-03-11 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 判示記載の日時場所において、被告人が、自己が出産した男児であるAに対し、 判示記載のとおりの行為を行って傷害を負わせたことに争いはない。 弁護人は、判示記載の被告人の行為は人を死亡させる現実的危険性を有するも のではなく、不能犯が成立し、傷害罪が成立するにとどまること、また、本件犯 行当時、被告人は少なくとも心神耗弱であったことを主張する。すなわち、本件 の主な争点は、①不能犯の成否及び②完全責任能力の有無である。 当裁判所は、判示記載の被告人の行為は人を死亡させる現実的危険性を有する 行為であり不能犯は成立せず、かつ、被告人は、本件当時、心神耗弱ではなく、 完全責任能力を有していたと判断したので、以下、その理由を説明する。 第2 争点①について 1 被告人の公判供述及び証人B医師の証言を始めとする関係各証拠によれば、以 下の事実が認められる。なお、以下時刻のみを表記するときは令和5年11月2 日の時刻を指す。 ⑴ 令和5年11月2日の茨城県土浦市内の気温は、午前6時の時点で10.2℃、 午前7時の時点で10.8℃、午前8時の時点で11.0℃であった。 ⑵ 被告人方トイレの水洗式の和式便器(以下「本件便器」という。)は、便器の 上に洋式便座が置かれており、排水口及び便鉢に水が貯まる構造になっている。 水洗レバーを大へ回すと、本件便器内に約8リットルの洗浄水が流れ、洗浄後、 洗浄タンクに再び洗浄水が貯まり切るまで約10分間を要する。 ⑶ 被告人は、早くとも午前7時52分頃から午前8時16分頃までの間に、本件 便器内にAを出産し、本件便器の便鉢にうつ伏せの状態で頭部を排水口側に向け たAに対し、水洗レバーを回して複数回にわたり洗浄水を流し、その足の裏をト イレブラシで小突くなどした。そうしているうちに、Aはうつ伏せのまま、頭部 を洗浄水の吐き出し部側に向けて顔を横向きにした状態になった。Aの身体の向 きが変わった後も、被告人は、遅くとも午前8時33分頃まで、Aに対し、複数 回にわたり洗浄水を流し、その左肩をトイレブラシで小突くなどし、最終的に、 Aの下半身が排水口の封水に浸る状態になった。その後、被告人は、Aの身体を 便鉢の上に引き揚げた。 Aは、当初、産声を上げていたものの、遅くとも午前8時16分頃には泣かな くなっていた。 ⑷ 被告人は、午前9時17分頃、119番通報し、通信指令センターからの指示 に従い、Aを便鉢から抱き上げ、Tシャツで包むなどした。 ⑸ Aは、午前10時20分時点で自発呼吸をしておらず、低体温のため体温も測 定できなかった。午後零時7分時点で初めて測定ができた際のAの体温は32. 6℃であった。 ⑹ Aは、被告人の⑶の行為によって、低酸素性虚血性脳症、脳軟化症、筋緊張亢 進の傷害を負い、現時点において、最重度の精神運動発達遅滞等の後
主文(判決文より)
被告人を懲役4年に処する。 未決勾留日数中270日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。