殺人未遂、傷害、建造物損壊、器物損壊被告事件

事件の基本情報

裁判所水戸地方裁判所
事件番号令和6(わ)131
判決日2025-11-14
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 弁護人の主張等について
弁護人は、判示第1の殺人未遂及び傷害の事実について、被告人は被害者らが
いた場所の相当手前を走行していた時点で意識障害が生じたとして、①意識障害
が生じる前の被告人の行動は人を死傷させる現実的な危険性の高い行為ではなく、
意識障害が生じた後に被告人車両が被害者らの直近を進行したのは被告人の意思
に基づくものではないから実行行為に当たらないし、②故意もなく、③被告人は
当時、心神喪失又は心神耗弱の状態にあった旨主張する。
当裁判所は、被告人には殺人未遂罪及び傷害罪が成立し、完全責任能力が認め
られると判断したので、その理由を補足して説明する。
2 実行行為について
⑴ 速度鑑定を行ったE技官の証言、被害者A、B及びCの証言並びに防犯カメ
ラ映像等を始めとする関係証拠によれば、①被告人は、運転していた車両を市
役所のロータリーから自動車の進入が禁止された敷地内に進入させ、広場で開
催されていたイベント会場に向けて時速約47㎞まで加速させながら走行させ
て車両右前部等をAの足に衝突させたこと、②BはAの二、三十 cm 横に立って
おり、被告人車両と衝突したAの身体等がBの身体に衝突したこと、③被告人
車両はA及びBの面前にあったイベント出店用の長机等をなぎ倒しながら走行
し、進路の右前方にいたCは、直近を通る被告人車両との衝突を避けようとし
て転倒したことが認められる。
このような被告人車両の速度等を基礎付けるE技官の証言は、防犯カメラ映
像等の客観的な証拠を分析した合理的な見解であって、その判断過程に疑問を
差し挟むべき点は見当たらず、高い信用性が認められる。また、被害時の位置
関係等に関するA、B及びCの証言に特段不合理な点は見当たらず、十分に信
用できる。
⑵ 以上のように、被告人は、本来自動車が進入するはずのないイベント会場内
に何人もの人がいる中を、時速約47㎞まで加速して車両を走行させ、現にA
に直接衝突させているのであるから、こうした被告人の運転行為はA及びその
すぐそばにいたBを死亡させる現実的な危険性の高い行為と認められる。また、
被告人はそのような速度で、Cに回避の行動をとらせるほど近い距離を走行し
ているから、被告人の運転行為はCの身体に対する有形力の行使と認められる。
したがって、被告人の運転行為は殺人及び傷害の実行行為に該当する。
⑶ これに対し弁護人は、被告人は被害者らのいた場所の相当手前で意識障害が
生じていたなどと主張する。
しかし、神経内科医のF医師は、事件当日に撮影されたCT画像や事件後約
4か月後と約5か月後に撮影されたMR画像等を精査した結果、被告人には脳
疾患による意識障害を疑うべき所見は一切認められないと証言し、また、精神
科医のG医師は、精神鑑定の結果、被告人は反社会性パ

主文(判決文より)

被告人を懲役13年に処する。
未決勾留日数中360日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。