事件の基本情報
| 裁判所 | 大津地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ワ)459 |
| 判決日 | 2025-02-20 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法703条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 返還請求権が存在するか(交付決定の取り消しがないこと) (2) 現存利益の不存在 (3) 権利濫用 3 争点についての当事者の主張 (1) 争点 について (原告の主張) 原告の被告に対する補助金交付の法的性質は、負担付贈与契約である。その 負担の内容は、令和4年3月31日付の交付決定通知(甲1)に記載のとおり である。同交付決定通知は、その負担の内容を被告の行った交付申請書記載の 事業を行うこととするほか、本件交付規則、滋賀県農産物等輸出拡大施設整備 事業費補助金交付要綱、その他関係法令の定めに従うことが交付条件となって おり、これら諸規程が原告と被告の間の負担付贈与契約の内容を規定する。被 告の補助金申請取り下げは、負担付贈与契約の解約の申出であり、これにより、 原告被告間の補助金交付契約は解約された。解約により、原告が被告に対して 交付した金員はその交付根拠を失い、被告は、一般的な法的性質の説明として は、解除に伴う原状回復又は不当利得としてその返還義務を負う。 なお、この時点では当初の交付決定自体を取り消したものではないから、原 告の内部的処理は、補助事業の変更により支給すべき金額を0と変更したもの であり、これを返還命令により通知した。その上で、本件補助金は本件交付規 則に従うものとされていることから、その規律に従い、即時の返還ではなく一 定の猶予を与えた上で返還命令を行った(これにより返還義務の弁済期が定ま った)。 (被告の主張) 本件交付規則17条1項は「補助金等の交付の決定を取り消した場合におい て」としているが、本件では原告(または原告の市長)が補助金等の交付の決 定を取り消したという事実はない。 本件交付規則7条1項及び2項にはすでに申請者に交付された補助金の精 算処理については記載がなく、補助金の交付が未了である時点での申請の取り 下げを想定した規定である。 補助金申請について被告からその全部の取下げがあったことから、原告が被 告に支給すべき補助金の額は0となったという主張に理由はない。 (2) 争点(2) について (被告の主張) 被告は、原告から受給した3億7375万円を、Aに対し、工事代金として すでに全額支払って費消している。被告は、当時、なんとしても本件補助金に かかる事業(以下「本件補助金事業」という。)を成就させるために、工事代金 を支出したのであり、補助金の支給決定が失効して「法律上の原因」が存在し ないことについて、善意であった。 被告のAに対する訴訟において、Aは返還の資力がない旨主張しており、被 告のAに対する返還請求権は実質的に無価値である。 被告が原告から取得した利得は、全く現存していないため、返還義務はない (民法703条)。 (原告の主張) 現存利益が損しないことについて否認する。これを理由
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、3億7375万円及びこれに対する令和5年6月1日か ら支払済みまで年10.95%の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は、被告の負担とする。 3 この判決は、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。