危険運転致死傷、道路交通法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所熊本地方裁判所
事件番号令和6(わ)272
判決日2025-05-27
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、判示第2について危険運転致死傷罪の成否であり、具体的には、
①後退進行という運転方法に伴う諸要素が、「進行を制御することが困難な高速
度」の判断要素に含まれるか否か、②争点①の検討結果を前提として、被告人の
運転行為がそのような高速度に達しているか否かである。
2 争点①について
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条は、生命・
身体に対する危険性が類型的に高い運転行為を危険運転行為として規定してお
り、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」(同条
2号)はそのうちの一つの類型である。そして、「進行を制御することが困難な高
速度」とは、速度が速すぎるため自車を道路の状況に応じて進行させることが困
難な速度をいい、具体的には、そのような速度での走行を続ければ、道路の形状、
路面の状況、車両の構造、性能等の客観的事実に照らし、あるいは、ハンドル又
はブレーキの操作のわずかなミスによって、自車を進路から逸脱させて事故を発
生させる実質的危険性があると認められる速度のことをいうと解されるところ、
このような実質的危険性を生じさせる速度は前進であると後退であるとにかか
わらず生じ得るものである。また、同号は単に「走行」と規定するところ、国語
的な意味においても「走行」には前進と後退の双方が含まれるのが通常であるか
ら、「走行」から後退進行のみを除外する合理的理由は見出せない。そして、後退
進行した場合においては、それに伴う前記客観的事実を判断要素に含めて検討す
べきことは当然の帰結というべきである。弁護人は、後退進行に伴う諸要素を判
断要素に含めた場合、徐行を超える速度であれば制御困難な高速度となりかねず、
「後退走行」という新たな危険運転行為の類型を創設するに等しい結果となり罪
刑法定主義の観点から許されないと主張するが、後退進行という運転方法に伴う
諸要素をも踏まえて検討することが直ちにそのような結果となるものではない。
3 争点②について
⑴ 前提となる事実関係
ア 本件事故現場付近、被告人車両の状況
熊本市 a 区 bc 丁目 d 番地付近道路(以下「本件後退進行開始地点」とい
う。)から同区 be 丁目 k 番地付近道路(以下「本件事故現場」という。)まで
は、南北に通じる片側一車線の直線道路(以下「本件道路」という。)であり、
その間の距離は約350m、幅員は各車線が2.7m、東西の各歩道が1.
5m、各歩道と外側線の各道路余地は0.5mである。本件道路の制限速度
は時速40kmと定められていた。
被告人車両の左右の幅は147cmである。
イ 被告人車両の走行状況
被告人は、本件後退進行開始地点で追突事故を発生させたが、飲酒運転な
どが発覚するのを免れるべく逃走しようと考え、アクセルペダルを目い

主文(判決文より)

被告人を懲役12年に処する。
未決勾留日数中220日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。